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FREE, FLAT, FAN 読書記録 4

概要

FREE, FLAT, FANという3つの軸をベースに、著者(伊藤羊一さん)のリーダーシップについての考えが書かれている。

自分の生き方、社会との接し方を改めて見つめ直すことができる書籍。

真のリーダーシップとは

FREE(Lead the self)
常識から解放され、ひとりの人間として自由に生きる
FLAT(Lead the people)
一人ひとりが、異なる意思を持つリスペクトされるべき存在である
FAN(Lead the society)
一人ひとりが意思を決めて生きられれば、楽しく幸せな世界になる

著者は上記の三つを軸として持ち、それを実践している。

FREE-いま、常識からの解放が起きている-

コロナ禍になり、私たちはさまざまな問題に直面していますが、逆に私たちに劇的に変化をもたらした考え方もいくつかある。

そのうちの一つが「オフィスに通う必要はないのでは?」という考え。

同様に学校では授業をリモート中心に進めていたり、今まで常識だと思われてきた考え方一気に変化するきっかけになった。

著者はこの事実について、下記のように考えている。

単なる表面的な働き方のちがいを超えた、もっと私たちの内面に変化を引き起こすものではないか?
p18

いままで常識だと考えられていたものが、あらためて問い直されているのが今の状況だと考えているようだ。

FLAT- 「一人ひとり」がちがう存在である

FREEな状態になるといままでの行動から変革が起き、自分で選択できるようになると著者は考えている。

自分が「こうありたい」と思える生き方ができる状態になる
p21

FUN - 自分で決めれば楽しく生きられる

自分の意思で自分の行動を決めることができれば、楽しくハッピーになる
p28

もちろんこれほどシンプルなわけではないと著者も考えられていると思うが、自由に選択できる環境があり、それを周りも受け入れていて、選択していける状態が楽しさを感じるための前提条件になるのだろうと感じた。

Laed the self

自分を導くこと。言い換えると自分に対してリーダーシップを発揮することをLaed the selfと呼んでいる。

先の見えない時代はとにかく素早く行動して振り返り、また行動せよ
p42

仕事力
Action, Skill, Mind のサイクルを回すこと

鍛え方
行動を振り返り、自分に引き寄せて考えて、教訓となる気づきを得る

自分を知る
自分が何を大事にして生きているかを内省他者との対話によって知っていく

何をするにしても、次のことを考える必要がある。

・自分は今何を考えているのか
・自分は今どうしたいのか

自分の中の正解を言語化し、自分を客観的に見つめること。

そして宣言したことに毎日取り組み、取り組んだ成果を振り返り、気づきを得ることを勧められている。

(感想)
「宣言したことに取り組んで振り返る」という行為はすでにやる気を持っている人に対して有効な考えだと感じた。「何かをしようとした時に不安を感じてやめてしまう」という人も多くいると思うが、そういった人たちが行動する原動力は一体何になるのだろうかと感じた。

著者の伊藤羊一さんは26歳でうつ病のような症状になった。(当時はうつが一般的でなかったため診断は出ていない)

その後27歳で新規案件を初めて仕事をやり通したときにメンタルが回復。それから、他人のために生きる人生を45歳まで続けた。

2011年の東日本大震災でリーダーの仕事は「意思決定」をすることだと学んだそうだ。

意思決定の基準は自分の譲れない想いであり、習慣をもって自分を変えていくこと、リーダーを演じることでリーダーになっていくことを身をもって学んだよう。

必要なのは日々行動を繰り返していくことと、自分と向き合って次のようなことを認識していくこと。

・自分はいまこう考えている
・この瞬間、こんな思いを大切にして生きている

Lead the people

役職は、ただの「機能」に過ぎないのではないか?
p133

「上司」「部下」として接していると、相手に対して変に萎縮したり軽んじたりすることが起こる。リーダーやマネージャーはただの機能に過ぎず、ある役割を担っているだけ(上下がない)という認識を本来は持つべきなのかもしれない。

(感想)
リーダーやマネージャーの仕事をいくつか本書では取り上げているが、そのうちの一つに「安心・安全な職場にする」というものがあった。最近のマネジメントで最も重要だと個人的にも感じている部分で、納得できるものだった。

グッドポイントを伝えずにダメ出しばかりしていると、相手はいつまでも元気になりません。
p161

人との接し方として、本当にその通りだと共感する部分。正論だけでは人は動かないという理論と同じだと思う。

人間関係は面談室に入る前に決まっている
MBWA(Management By Walking Around)
p168

リーダーこそが、自分の「譲れない想い」を持ち、それを言葉の限り、伝えなければなりません。
p173

・私はなぜ、この仕事をしているのか?
・私はなぜ、この仕事に熱中しているのか?

Lead the selfと同じく、人を導くには仕事に対する想いを落とし込み、メンバーに伝える必要がある。

利己的な想いから利他的な想いに変わる。大切なのはビジョンを共有すること。

(感想)
利己的な想いから利他的な想いにかわらない人もいると記載があった。ビジョンの共有だけで本当に変わるのだろうか。他に違いはないのだろうか。

利他的になることを目的にビジョンを持つのであれば、元来利他的になりたいと感じている人しか利他的にはなれないのだろうか。

Lead the society

コロナショック
人間が活動を2-3ヶ月止めると、環境が明らかに綺麗になった。不登校の子がオンラインの朝礼に顔を出すようになった。

幸せの形が一人ひとり違うということを改めて認識させられる出来事。

いまあるところで成果を出すしかない
p226

・「自分がどう生きていくか」
・「社会に対してどう働きかけていくか」

今自分がしなければならない足下の仕事に取り組む時間と、社会や世界について考える時間、このふたつの時間配分を考えることの重要性を訴えている。

■要約
前提、当たり前だと思われている考えから解放され(FREE)、物事をFLATに見れるようになることでやりたいことを選択できるようになり、その行為を楽しめる(FUN)ようになっていく。

それがLead the selfであり、そこからLead the People, Lead the Societyへと発展してく。

書籍


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