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走りたい

大きな女の子は、大人になったが、走るのは好きではなかった。 なんなら、集団の輪の後ろをトボトボついていく方が好きなぐらい。 前々からオーストラリアに行きたいと話していた彼女にゴールドコーストマラソンの誘いがあった。 困った。行きたいけど、走りたくない。 何キロに参加する?10km?ハーフ?フル…はさすがに無いよね? 勝手に話が進む。 …じゃあ、ハーフで。 気づいたら、そう答えていた。 靴を買った。ついでにランニングウェアも。 トレーニング。同じ距離を走ってみた。 ツアー代

    • 仲間であること

      大きな体の女の子は成長した。 心も体も体重も。 今年も長距離走はやってくる。 しかも、駅伝。 クラスでグループを作り、学年で競う。 入れてもらえたのは、なんというか、余りものたち。 中でも遅い私は走り距離を最低限にしてもらえた。 応援、がんばる‼️練習だってするし。 あなたの一生懸命でいいから。俺が巻き返すし。 グループのリーダー的な子から言われた。 惚れてまうやろ。 走った。一生懸命。がんばれーって聞こえる。 何人も抜かれた。その度に心は折れる。 体調不良で、棄権しようかな

      • 最後はイヤか。

        大きな体の女の子にとって、コレほど嫌なことはない、浜辺の持久走。 入らない肉を体操着に押し込み、砂に埋まる肉を持ち上げ、前へ進む。 当然、ビリ。ダントツで。 が、しかしゴール目前で前の子が見えた。 絶対抜く。 ゴール目前、僅か数メートルで抜いた。 気持ちいい。 抜かれた子は泣いていた。 ごめん、なのかな…。 とっくにゴールした何人かの子が付き添い慰めている。こっちを見て、こそこそ、何か言っている。 あー、抜かなければ良かった。 後味の悪い持久走となった。

        • はじめまして

          人との交流から未来を想像し、心温まる日々を送る。相手に伝えられるきも、伝えられないときも、私のなかに見えた未来を、全く別の人と共有し、温かい気持ちが広がるといいなぁ。

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