ぜんぶ、姫パイのせいだ

最近、「愛される」ということに重きを置かない恋愛感情への憧れが強まっている。たぶん、姫野先輩の影響だ。片思い至上主義ってやつだろうか。

振り向いてくれることはないんだろうなって思いながら、あぁこの人が好き、っていう瞬間がたくさんあると良い。

ほんとうは「愛される」かどうかなんて、「好き」って気持ちに関係ないはずなのだけれど。小賢しい私は絶えず脈を測り、将来を想像してしまう。(自分のせいじゃん。) 

そんな淡い期待なんかできないような状態で、でも相手のことをよく知れる距離でいたい。チェンソーマンで知った「恋愛」はそんな恋愛だったから。

誰かのことを、盲目的に好きになっちゃって、自分のことなんか差し置いて、あぁ、もう、ほんとうに好き!!って、そんな感情を抱いた日には自分の生を肯定できそうな気がする。この世界にありがとうって感じで。

あの瞬間、姫野先輩もこう思ったんじゃないだろうか。「あぁ、この人を好きになってよかったな。」

薄れゆく視界のなかで、生きててよかったな、って思いと一緒に。

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