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CGクリエイターが映像作品をみたら、人の何倍も感想しゃべくりまくる件

CGデザイナーの人は映画とかこんな事考えながら見てますって話です。
どうしても目がいっちゃう!って言う職業病を解説。
専門学生の頃、金ローを一緒に見てた弟がうるせーから黙ってろって言ったのは、忘れもしません…

カメラワーク

耳にした事もある単語ではないでしょうか。
私の好きなカメラワークは、映画の導入や締めでよく使われる、空中から降下して人物などにクローズアップするの、です。
さあ、見るぞーって気持ちになって、没入感が増す感じ良き。
とまぁそんな、カメラを使った色々な演出方法がありまして。
それをカメラワークと言います。

カメラワーク等の映像演出を座学で学んでいたとしても、沢山の映像作品を見て、自分に蓄積していく事が大切です。
「この場面ではコレ!」といったセオリーもあり、意識して見る事をひたすら繰り返して身につけていきます。
「手持ちで撮影してる。臨場感を持たせたいのかな?」
「クローズアップした!主人公の不安を表現しているのかもしれない」
等、逐一意味を探っていきます。

ちなみに、ヒッチコック作品の代表的な演出技法・ドリーバックは、通称「めまいショット」なんて言うらしいですよ。カコイイ!

レイアウト

さて、カメラワークは動的な内容で、レイアウトは画面への納め方です。
これに関しては映像ではなくても、マンガや写真なんかでも学べます。
・悪役令嬢が見下す描写が多いのは、高圧的な雰囲気に見せる為。(異世界もの好き!)
・顔が向いてる方を空けた方が、収まりが良い
とか、カット毎に色々な意味合いが表現がされているんですねー

私は個人的にコスプレ写真とか見るのおすすめです!
実際の人間×二次元作品×良いカメラマンという掛け合わせが素晴らしいです!(単純に好き)


この様に、かっこよく表現するには〜を見るもの全てで考えているのが、クリエイター道なのです!

CGビジュアル

車のCMを始め、実写かCGか判別出来ないものだらけの昨今。
私はCG実務者じゃなくなり、産休を取得後、実写かどうか全然判別出来なくなりました…
それくらい今のCG技術は上がっていますし、見抜く力は直ぐ様衰えてしまいます!

皆さんも遊園地で若干古めのアトラクションに出てくるCGとか見ると「古っ!」って思いますよね。
新しい映画だとあの魔法のシーンかっこよかったねーとか、友達と語り合う事もあるでしょう。
そんな場面に業界関係者が立ち会うと、その10倍はコメントをしてくる事でしょう。

今のキャラクターの動きヤバい
あのエフェクトはレンダリングに何日かけてるんだろ?
今のクリーチャー何ポリだ?
おばあちゃんの肌の質感すっげー!
主人が座った木の丸太よく出来てんなー
リップシンク今のちょっと怪しかったな…
とか。

昔で言うオタク語りが止まりません!
自分が直接関わる分野は気になる事ばかりです。

ケレンみについて

「ケレンみ」って皆さんご存知ですか?
元々は歌舞伎の言葉で「俗受けを狙った奇抜な演出」って意味で貶し言葉らしいです。
ただアニメ、ゲーム業界では褒め言葉になる事がもっぱら。

・人物に攻撃が被弾する直前にスローになる
・驚いた時に瞳が小さくなる
・ゲームキャラクターが突っ立っているだけなのに、呼吸に合わせて体を上下している

みたいな、皆さんがよく目にするの表現方法、それがケレンみです。
CGでモーション作成するときのチェックバックでは「ケレンみ足りません」(=地味)ってのは新人時代良くいただきました…
また、リアル志向の作品だから全く要らない訳でもなく…
説明が中々難しい内容です。

ケレンみ強い作品の代表格は、遊戯王やジョジョ、エヴァンゲリオンなどでしょうか。
立ちポーズだけでも地味とは絶対に言えない作画ですよね!
アニメーター時代に上記作品はどれも大変お世話になりました。

ちなみに、個人的に最近見て好きだったゲームモーションは、ELDEN RINGのマルギットのジャンプ攻撃。あれ、かっこよかったです!
あの空中での溜め感と布の揺れ感が良い。
皆さんも、よろしければ。

番外編・思わず声が出ちゃう演出

主に3DCGクリエイターあるあるです。
あー大変そうだなー!って時変なテンションになりがち…。

武器の持ちかえやものの受け渡し

CG同士は物が干渉しません。
皆さんも、ゲームキャラクターの長い髪が体を突き破る、なんて状態を見た事があるかと思います。
なので、ものを持つという行為は凄く手間がかかっています。

持ったものが手から離れない様にしつつ、指も不自然じゃない様にポーズ付け。
これを置く・他人に渡すという行為になると、またこれが大変。
1〜10までは主人公に付属させて、11〜20は地面に置く、そのあと敵が持ち去るから今度は敵について行くように…
という感じで、とてもとても面倒なんです。
抱き合うシーンなんて、干渉箇所がありすぎて…想像しただけで声が出てしまいそうです。

超長髪キャラクターの激しい動き

先述した様にめり込み回避の大変さ、で思わず気になる点です。

最近は、マント等いわゆる「揺れもの」は自動処理するゲームもあります。
が、完璧ではなかったり、キチンと回避する必要がある場合は多いです。
セフィロス様は髪がスーパーロングなのに、ヒラヒラした服装をされてますよね…
ダイワスカーレットは髪が二手に分かれている上に、腰周りにボリュームある服を着ています…
ああぁ!戦わないで!踊らないで!
と、作業者の声が聞こえてきそうです…。

パンチラや胸揺れ

これはアニメ・ゲーム屋あるあるだと思います。
床を這うカメラワークなのに、なんとか見えない様に立ち位置や動きを調整する、とか。
そもそもズボンを履かせるのか、黒くして影と言い張るのか、みたいな仕様の話はよくお伺いします。

「この作品は基本的に胸ユレあるのが売りなんですよ」
なんて前提が最初の打ち合わせで出たりもします…
ゲーム実況なんか見てると、そこに注目する人も多いですが…
制作側は「あーやっぱそこ気になる?」と生暖かく見守っております!

以上、CGクリエイター的思わず見るポイントでした。
皆さんの着眼点とはどれくらい乖離がありました…?
でも、その分楽しく堪能出来ているんですよ!
「オラそういう話、ワクワクすっぞ!」という方は、ぜひCG業界へ。

ではまた。

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