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結局ダメだった「バズ・ライトイヤー 」

すっかりnoteの存在を忘れ、劇場で見た映画への悲喜こもごもを知り合いに吐き出してばかりでしたが

今回は流石に…流石にないだろう!と思い書き始めています。

ジョン・ラセター排斥以降または「SOUL」以降の(ややこしいので今回はディズニー抜きの)ピクサー映画は

「ルカ」と「レッサーパンダ」と、これどこの新設スタジオアニメ?というような映画の出来で、褒めるところが積み重なったグラフィック面だけで、

明らかに作品内のテーマの厚さや深みはまったくありませんでした。

そんな中、ピクサー初の過去の遺産切り崩し第一弾

「Lightyear」


初報でのバズのスーツのディテールアップや、その後の「Starman」を使った予告から、

今回ピクサーはスペースファンタジーを直球でやるのか!と非常にワクワクしていたのですが….

結果としては、とにかくプロット段階からクオリティが非常に悪い。

ダメ映画と言われる要素をいくつも備えたカーズ2と張るレベルの問題作でした。

  1. 主人公が成長する過程に外連味がなく、なぜその決断をするのか理解できない。

  2. 足を引っ張るキャラが最後まで活きもせず、変化や好きにならせる描写がない。

  3. 謎を配置しておいて最後に明かされるも、何か展開があるわけでもない。

  4. ためにするためのキャラクターの謎の行動

  5. 繰り返されるあまり面白くないネタが後々活かされるわけではない

などなど、ほかにも沢山ありますが

冒頭、バズと相棒である黒人女性と未知の惑星で植物に襲われますが

相棒がいなかったら終わっていた。という場面が複数出てきます。

仮にも彼はスペースレンジャーでどれだけ優秀なのか、そして人の手を借りないのか。それによってその後の大失敗が起きる。という見せ方するのが当然ですが

一連のアクションでバズが銃を2発程度撃つと、"なぜか"使えなくなります。

彼は万全の状態で船から降りてきたにも関わらず、特に理由もなければ、敵に壊されるというわけでもなく、銃を投げ捨て何度も相棒に助けられます。

何故そんなプロット上明らかにおかしい展開になるかと言われれば、

あまりこういう言い方をしたくはありませんが”ポリコレ”のためとしか考えられません。

(何度となく言っておきますがポリコレそのものは何も悪くありません「Hidden Figures」大大大好き)

黒人で女性のキャラクターが活躍し、マチズモ男性を救う。という構図を観客に”目配せ”しないといけない。

しかしそれがテーマや作り手が描きたいことの根幹になく、

”マーケティングのためだけ”に後付けしていくから可笑しなことになってしまっている…というのはもうディズニー全体が10年以上前から抱えている病理です。

(とはいえ企業として本気でそれに取り組む気はなかった。というのが最近ようやく表沙汰になりましたが…)
https://www.gizmodo.jp/2022/03/disney-accused-of-intentionally-excluding-lgbtqia-content.html

とそういった”目配せポリコレ”要素を抜きにしても


冒頭からバズが宇宙船を壊してしまうまで出てくる新人のキャラクターはそれ以降出てこないし、

植物が人をどこかへ引きずり込む展開は何度も繰り返されるからには、何か謎や後半ギミックとして活きてくるかと思いきや何もない。

なぜザーグとバズが同時に存在しているのかの説明がなんの説明にもなっていなかったり、

ジョー・ぺシ激似のスティールというキャラは、なんでも3つあれば爆弾を作れる。という設定が最後にしか使われない上に、その必然性もない。


そしてトイストーリーのキャラクターというからには、

1作目でウッディ達に見せた、何かに乗って一回転して、天井のシーリングファンの推進力を使って~というあのアクションを最後にカッコよくアレンジして見せてくれるのか。

またはスペイン語が喋れるというような、いわゆるファンサービスもない。

やはりトイストーリー4で表明されたように、ディズニーはスターウォーズ同様に

邪魔になった過去の功績を消して、現代的な意味合いでの

”ディズニファイ”したかったのだろうが

またしても大失敗だった。

ピート・ドクター製作総指揮にも関わらず、過去の遺産さえも活用できず

ブレイントラストとはいえ、やはりラセターはいなければ途端に出来が悪くなったことから

宮崎駿唯一の弟子であったラセターは師匠同様

彼自身がいなければブランド力だけで、今にも剥がれそうなハリボテ。という点で

非常に今のジブリ的でした。


現在ジョン・ラセターはかつてディズニーで共に働いたスタッフが多く参加している

大手制作会社の新作アニメ「Spellbound」で製作総指揮を務め、
今年の11月に公開予定なので

ラセターがいないディズニーピクサーは何度目かの没落期が始まっているので、今後はスカイダンスのアニメーション部門に期待を託すしかない。

ラセター新作「Spellbound」



もうディズニーはリン・マニュエル・ミランダが関わっていなければ、劇場はおろか配信でも見る価値のないものになってしまいました…

あまりにも悲しいですが、これもディズニー第3?ルネサンス期の終わりを味わう。という点においては後々味わいが出てくるかもしれませんね


「古代、これからワシは我が故郷に別れを告げるぞ

さようならァァァ!!必ず帰ってくるからなァ!達者で暮らしていろよォ!!」


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