シャン・チー ついに壊したMCUの絶対防衛線(ネタバレあり)
アイアンマンから始まったマーベルシネマティックユニバース(MCU)
北欧神話の神、人造人間、喋る木、魔法使い
我々は十数年をかけて、本来であればこの複雑化する社会の中ではあまりにもバカバカしい荒唐無稽なキャラクターたちに”慣らされてきた”
とはいえ、神も魔法使いも、それぞれ出来るだけ納得できる範疇での描き方で抑えられてきたし、何よりケヴィン・ファイギを筆頭としたMCU制作陣も、それらの描き方に苦慮しているのはヒシヒシと伝わってきたが
当初の目的であったインフィニティ・サーガを終え、MCUが次なるステップを踏み出すためとった秘策とは....
冒頭1時間ほどまではカンフーアクションから家族の確執と、そろそろ退屈になってきたかなという緩やかな第二幕から
後半1時間からのギアの切り替えには、唖然とし、笑うしかなかった。
麒麟から九尾の白狐、特大の狛犬についには空を飛ぶ龍...
もうこうまでしなくては、完全に飽和しきったMCUのブレイクスルーはできないのか?と呆れつつ
これで作り手の腰が引け、探り探りの世界観拡張であれば心は離れ、冷めてしまっていただろうが
ここまで馬鹿げたディールなら乗った!と差し出された手を取ってしまった。
とはいえ、シャン・チーと父の戦いにはほとんどカンフーアクションはなく
トドメにかめはめ波を打とうとするも止め
最後のMTGライクなクリーチャーに使うのかと思いきや、体内から爆発させるという拍子抜けなキメ方
やはりまだまだハリウッドには”歌舞く”という、ヒーロー映画には必須の心意気が足りないのはガッカリした
そして久々のオリジン映画ということで、アベンジャーズへの参加のワクワク感をこれまでより強く出していたのは良かったし
ウォンとのカラオケもそれだけでは寒いものの、ちゃんと冒頭の日常との韻を踏んでいるため、上手く構成されてるなぁとMCUクオリティはまだまだ健在と再確認
とはいえエンドロール後の「テンリングスは帰ってくる」は正直トニー・レオン以外に組織自体の魅力は一切描かれていないので、ワクワク感はまったくなかったのが痛いのと
予告でも察していた通り、美人やイケメンが、トニー・レオンしか出てこず、背景やセットの魅力も少なく絵面の安定度は低かった...
アジア人初でありながら、主人公の顔の野暮ったさは斬新でいいにしても、やはりもう少し美人とイケメンを配して欲しい...
アイアンマン3で誰もが膝カックンされた、しょうもないベン・キングズレーのキャラクターは可愛らしく再利用され、最後にあの村で役者として人気者に~みたいなケアも欲しかった。やるならちゃんと責任持とう
最後に
ドラマ「ロキ」の何も解決せずテーマも描かず、クリフハンガーに終始した酷さや
ブラック・ウィドウの「まぁ作っとかなきゃ”公平”じゃないもんね」以上でも以下でもない内容に
そこそこMCUへの情熱は薄れていたわけですが
とりあえずスパイダーマンも、サムライミ監督のドクターストレンジも控えているので
シャン・チーはその間を埋め、今後のためのマイルストーンとしての役割は十分に役割を果たしていたのではないでしょうか
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