拝啓、石部金吉氏。

7月26日はおれが心酔している中島らもの命日である。今から19年前だそうだ。2004年である。
酒飲みだった彼にちなんで、この日は「せんべろ忌」という愛称も付いている。良いネーミングだ。
朝。Twitterを眺めていると、NHKのアカウントで彼の命日に寄せた呟きが。

NHKのTwitterアカウントより

ここ数日の騒ぎのせいかリンクがうまく貼れないので、添付されていた画像をば。
以前noteにも書いた「その日の天使」である。
こうして人物の隣に一節が文字起こしされていると、説得力というか、効力がありそうな気がしてくる。
両方とも呟きにリンクが貼られていたアーカイブから切り取ったものだ。このアーカイブがまたよいのである。彼に心酔してからもう何度も観ているが、見る度にじんとくるものがある。「その日の天使」の部分も活字で読むのとはまた違った説得力や感動があるし、なにより、彼の語る時の表情や口調がよりそれらに磨きをかけてくる。たまらん。
一方で、おれが彼をはっきりと認知する頃にはすでに「画面の中」の人であり「向こう」の人であった。そういう存在でもあるので、やはり、彼が今も生きていればなあという悔しさというか無念さもある。
しかし、そんな存在とはいえ中島らもを知らずに一生を過ごす人たちも大勢いるのも事実なので、それを思えばこんな形でも彼と出会えてよかったのではないだろうか。
さて、命日なのでここはひとつやはり献杯といきたいところだが、入院中の身ゆえ当然飲めるわけもなくはてさてどうしようかなとぼんやりしていたのだが、偶然にも今日はギターを弾ける機会があり、代わりといってはなんなのだけれど、彼の代表曲でもある「いいんだぜ」を弾き語らせてもらった。

いつか中島らもを辿りに関西へ行きたい、と思う。
彼の本を地図にして、あちこちを幽霊のようにふらふら彷徨っていたら、どこかでふらっと生きている中島らもに会えそうな気がする。
たとえば、どこかのバーで。

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