Kindleで読める哲学書(1):プラトン
**Platonis Opera. **上の写真はギリシャで撮影されたものということのようです。全く哲学っぽくないのであえてここの表紙にしてみました。
だいぶ多くの古典の名前にふさわしい哲学書がKindleでも読めるようになりました。とりあえず、第一弾として(あえて)光文社古典新訳文庫で、プラトンの著作を集めてみたいと思います。(こういう場合は、大抵岩波文庫からというのが多いのかもしれませんけれど、そうでないのもいいでしょう。)なお、こういうのをリストアップすると「どちらの訳がいいのか?」ということを聞かれます(どのギリシャ語版がいいですか?というのはあまり聞かれることはありません。手に入りやすいのであればLoebだと思います)。答えは単純で「どちらもいいので、どちらも購入、比べながら読むのがよろしい」です。唯一の答えなど存在しません。
1. 『ソクラテスの弁明』(訳:納富信留)
2. 『パイドン』(訳:納富信留)
3. 『プロタゴラス~あるソフィストとの対話~』(訳:中澤務)
4. 『メノン~徳(アレテー)について~』(訳:渡辺邦夫)
5. 『テアイテトス』(訳:渡辺邦夫)
6. 『饗宴』(訳:中澤務)
「哲学書」は、それだけでも著者との対話でもあるのですが、それだけではなく、これらの本を起点として、他者との対話をも導きます。そういう場所が、オンライン・オフラインどちらででもできればいいかなぁと思っています。
哲学だけに限りませんけれど、答えがあるのかどうかは分からないまでも、大事なのは「問い」です。なぜそうなのか、この単純なことすら問わないことは、ある意味危険なことです。少なくとも私たちは、何度でも、より深く、より本質に迫った問いを重ねていきたいと思います。
なお、こちらのシリーズ、いろいろな事情もあるのだと思いますけれど、ラインナップが偏っているといっていいのか、平均的に揃えているという感じでもないのが面白いです。アウグスティヌスなんてあってもいいと思うのですが、まだありません。かと思えば、スピノザの『神学政治論』があったりします。アラビア系の古典はまだ出ていないと思います。ユダヤ系もそんなに多いとは感じません(古典中の古典である『聖書』もまだシリーズに加わっていませんしね)。これからどうなるのか、結構楽しみだったりします。
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