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【読書】「ワインと外交」 胃袋を掴む話

西川恵さん著の「ワインと外交」を読了。

国際政治での会食では、食事のメニューだけでなくワインの銘柄にも気を使って採択される。文中には料理名、ワインの銘柄など私にはチンプンカンプンな用語が多くて想像しにくいが、外交にはかなり気を使っていることが分かった。もちろん、それですべての外交がまとまるわけではないのだが、食事をしながらの会話というのは、相手との関係性を発展させるという意味で本当に重要なのだな、と思った。

私は仕事を始めて6年目位のときにリーダー業務に携わるようになり、急に8人程度のメンバーをまとめる立場になった。お客さんの上位の方と金額交渉も必要になって、戸惑うシーンも増えた。技術的な仕事をしておけば良いフェーズは終わり、人を見て、交渉する立場になった。交渉には、幅広い話題と胆力みたいなもの、ずる賢さみたいなものが必要だと思うが、自分にはどれも欠けていた。

悩んだ私は、まずは苦手だった大勢の飲み会や会食に参加することを始めた。仕事をうまく進めるには、様々な人と関わって観察していく必要がある。また今後、接待も増えるかもしれない。そのためには、苦手な事も慣れておく必要があると考えた。

そこから20年弱の月日が経つ。未だに味音痴だし、オフィシャルな接待など苦手な事もある(どうしても、会の中に遊びを入れたくなってしまう)が、場馴れはして、交渉がメインの仕事になっている。

後輩に「大勢の会食には参加しません」と表明している人もいるが、本当にそれで今後困らないかな、と思うところはある。強制はしないが、参加がベターだと思う。

「胃袋を掴む」という言葉もあるが、この本は、胃袋を掴むことに全身全霊で力を注いでいる人たちの話であると思った。会食を侮るなかれ!そして、場馴れは必要!

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