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暗闇の中で・・。
息子(4歳)の寝かしつけの一コマ。
布団に潜った息子が、おもむろに暗い天井に向かって腕をあげ、ゆらゆらと動かしだしました。
「パパぁ。何もないところに電車の絵を描いちゃった!」。
暗闇の空中に絵を描いたのです。
それから小さなグルグルを描き出しました。
「それはタイヤだね!」というと、にかっ!と笑う息子。
線路は?と聞くと、ぐいぐいと指で線を引っ張る。
じゃぁ、パパも!となめらかに指で空を切ります。
「これなーんだ?」
「わかんないー!」
「車だよー」
「ふふふー」
息子はとても楽しそうです。
僕も若い時は、空中に向かってたくさん絵を描いてました。友達の顔を描いたり、風景を指でなぞってみたり、演奏会では音の揺らぎを描いてみたり。指は筆になり、木炭になり、油絵の具にもなりました。
紙がなくても、無限に絵を描くことができました。紙は平面ですが、空中は奥行きまで描けるのです。とても楽しかった。
でもいつからか、そんな遊びををしなくなったなぁって、息子の姿を見て思いました。そして、やっぱりこの子は僕の子だなぁと。
大切なものを思い出させてくれました。
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