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パパ同士の敬意

【パパ同士の敬意】
今日も炎天下の中、睡眠時間3時間の重い身体に鞭を打って、息子を保育園に送っていきました。電動自転車でも15分かかる道。
途中の交差点で双子用の大きなベビーカーを押している、同じ園のパパを発見し、話しかけてみました。
すると、園まで片道20分以上はかかると、汗をかきかき笑顔で語るのです。僕はびっくりしました。
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ふと、20歳の旅を思い出しました。この時期は、全国から「猛者」と言われる旅人が北海道・宗谷岬を目指します。車で向かう人、バイクで向かう人、自転車で向かう人、歩いて向かう人。
目的だって様々。観光目的、趣味を謳歌、自分探し、など。その目的が内面世界につながるほど、人は過酷な旅路を歩むのでした。
僕は自転車を選びました。適当な自転車を近所で選び、九州から北海道まで日本横断を敢行しました。挫折する人が大半でしたが、僕は相当に精神を病んでいたおかげで(笑)、ゆうゆうと野宿しながら北海道へ入りました。
船で苫小牧に着いた途端、そこは旅人の聖地でした。カッコいいハーレーに乗ったライダーが、敬意を表して「良き旅を!」を手を振ってくれました。自転車でツーリングしたこともありました。皆、一様に悩み多き人生でした。
その中でも、最大に誠意を持たれる旅人は「歩く旅」です。北海道で2回ほど出会った高校生の青年は、日本を一周しているというのです。理由は「クラスの罰ゲームで北海道まで歩くことになった」と笑っていましたが、真相はわかりません。ただ、全ての旅人は、行く先々のライダーハウス(一泊800円くらい)で、彼のことを「伝説」だと言っていました。

偉業を達成したとしても、誰も喜びませんし、話題にもなりません。かくいう僕も、旅から帰った後に大学の友達に、さらなる変人のレッテルを貼られて(笑)、休学し、東京に出ました。
高校生の彼だって、歩いて日本を一周するという途方もない旅を満了したとして、親は心配するだろうし、罰ゲームと言った友達も、その凄まじさの意味すらもわからないでしょう。きっと一生。
しかし、彼も僕も、全うしたという経験を持ち、社会の常識の外で生きていく自信を得たと思います。そして、高校生で日本一周するより、ご年配でもお遍路を歩く旅人や、その苦悩の重さを堪えて、ひたむきに旅路を歩む人々に、心から敬意を表するのだと思います。
苦しみがわかるから。そして、それを自分の力で乗り越えなければならないから。少しでも手助けができたら。応援できたら。

そこで、話は戻りますが(笑)、僕は双子用のベビーカーを一生懸命押しながら、笑顔で保育園に向かう、竹野内豊似のパパに、心から頭を下げたのです。子育ては大変ですよね。お仕事もあるでしょう。車があればとも思いますよね。近所の保育園に通えたならと何度も何度も思いますよね。でも、あなたは素晴らしい。パパの鏡だ。不平不満ばかり自分のつらさばかり宣う僕とは大違い。彼を見習って、僕もまた明日から育児を頑張っていこうと思いました。

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