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画家・ペーの日記
2022年8月9日 12:17
嵐は過ぎ去った。後には大きな爪痕が残った。そこに二人の小さな兄妹が佇んでいた。 嵐は、兄の大切にしていた名誉を奪い、妹の大切にしていた聖書を燃やした。 優しかったおじいさんは、戦地に赴いて、仕立て屋の友人に銃を向けた。 おばあさんは、天に召される前に、虚空に向かって、そっと不義を告白した。 猫は、誰かのそばにいることを諦めて、大きな伸びをした後、屋根から飛び去った。 兄妹
2022年8月17日 11:00
かつて、母の車椅子を押しながら見た夕日。もう残された時間はわずかだった。目の前には鮮やかな真紅の光があった。その光は僕と母を照らしていた。僕は、同じく支え合う群像を見た。それぞれに夕日に向かって歩き続ける。それぞれの人生。 「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです」遠藤周作は、沈黙の碑にこう記した。1人で歩く。2人で歩く。3人で歩く。1匹と歩く。2匹と歩く。3