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画家・ペーの日記
2022年7月9日 10:23
父の暮らしいていた施設は、元は水族館だったそうで、至るところに水槽があるのだが、なぜか1匹のイルカだけが今もなお施設で暮らしていた。父をはじめ、入居者の方々はイルカを観に行くことが日課だった。綺麗に磨かれた水槽から顔を出すイルカは、豊かな表情でキィと鳴く。歩くのが困難だった入居者も、自力歩行でイルカを見に行くまでになったそうだ。僕は、ぼんやりとイルカを眺める父の横顔をスケッチしていた。父は