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「最高の美味しい食いもんは何か?」 ー山と瞑想の日々ー


唐突だが、我輩はグルメである。

自分のことを「我輩」と書いたのは、語呂的に「〜である」で終わると、なんとなくそう言いたくなってしまったのだが、深い意味はない。

とにかく、我輩はグルメである。

もちろん自称だ。そんな資格や称号はない。ただ、自称グルメと思っている。

ちなみに「グルメ」の正式な意味をオマエは知っているか?

フランス語の「gourmet」が正式な言葉であり、「ワイン通」という意味合いだが、英語圏で「食通」という意味合いに変わった。大丈夫。我輩もたった今ググって得た知識である。グルメと自称しつつ、グルメの語源を知らなかった。

だがしかし、我輩はグルメである。つまり食通であり、食い道楽だということである。

そんなグルメな我輩にとって「最も美味しいものは何か?」と聞かれたら、何と答えてくれようか?

オマエにとってはなんだ?考えてみろ。

しかしまず、この質問の前に、違いに了承する“定義”がないとならないのである。

なぜなら「最も美味しいもの」と言えども、それは料理としてのメニューなのか、食材なのか、メニューの中に含まれる特定の食材なのか。または懐石やらコース料理はどうなるんじゃとか、諸々の定義があるので、まずはここを統一しないことには、正式な議論などできはしない。

定義や条件を統一して、同じ土俵に立つことで、フェアな話し合いができるというものである。

どうでもいいが、そろそろこの“デーモン小暮閣下”風なキャラに飽きたので、普通に書こう。

僕はグルメです。

もしも定義がバラバラだと、話し合いは難しい。

例えば「私はナスが好き!あ、でも麻婆茄子は嫌いなんだよね」とか「じゃがバターは嫌いだけど、〇〇レストランで食べたポテトグラタンは、世界で一番美味しかった!」とか「なんと言っても牛丼だ!。ただし、す〇家の牛丼じゃなく、松坂牛の薄切りサーロインの牛丼だ」とかなるとややこしいのだ。

だから、今回の「世界一うまいもの」の定義は、シンプルに「メニュー」にしておこう。場所は問わず。チェーン店のものでも、高級店でも条件は同じ。

また「収穫したばかりのキュウリ「とか「朝〆の鶏肉を炭火で炙った親子丼」とか「真鶴で水揚げされたばかりのシラス丼」とか、そういう枕詞もいらない。つまり新鮮さも加味しない。だって鮮度が良ければうまいに決まっている。

で、僕にとって世界一美味しいもの。

「おにぎり」

です。

そう。おにぎり。日本のソウルフード「O・NI・GI・RI」だ。ちなみに、おむすびとか、てむすび、とも呼んだりする。

具?

おにぎりの中身か?確かに、おにぎりと言われても、色々あるだろう。

では、グルメな僕は、「〜おにぎり」が一番美味いのか?

実はそんなもんはどうでもいい。しゃけでも梅でも明太子でも、なんなら塩むすびでもいい。(もちろんあまりに逸脱したものでない限り)

どうしてそんな大雑把なことを言えるのかというと、実は上の条件や定義に混ぜてないものがある。

それは「シチュエーション」だ。

「空腹に勝るスパイスなし」という世界的な格言(?)を、あなたも一度や二度は耳にしたことはあるだろう。腹一杯の時にどんな世界一流のシェフが作るコース料理より、腹と背中がくっつくほどの空腹感や飢餓感の中で食べる冷やご飯の方が美味しいだろう。

そう、つまり「山と瞑想の日々」なんて書いているくらいなので、僕が世界一うまいと思うのは、おにぎりはおにぎりでも、ずばり「山で食べるおにぎり」なのだ。

山道を何時間も歩いて、登って、足腰にがっつり負荷をかけまくった後に食べる食事。

はっきり言ってこれほどうまいものはない。

と、いうことは、僕にとって世界一美味いものは、なにも“おにぎり”でなくてもいいのかもしれない。

おいおいおい!だったら今までの文章はなんだったのだ?、とおっしゃられるかもしれないので、山でおにぎりが美味い理由をいくつか上げとく。

それはなんと言っても、おにぎりは「塩」が効いてるのポイントだ。山での疲労回復に適しているものは糖分ではない。塩分なのだ。

ちなみに塩分控えめのおにぎりなんて、にぎらず普通におかずと白飯で食え!と言いたくなる。塩気のないおにぎりは、むしろ僕の中で「あまり美味しくないもの」とさえ思っている。

また、疲労回復にはクエン酸効果もある、日本人の叡智の結晶「梅干し」がすばらしく、すなわち「梅おにぎり」が最強だと自負している。

ただ、山では「行動食」として、甘いものが推奨されているが、糖分での疲労回復は、血糖値急上昇からの、脳への興奮作用が強いと思う。つまり「効いた気がする」という、プラセボ効果が強い。

もちろん脳へのブドウ糖供給はあるだろうけど、それなら米の方が長期的に供給されるので良い。むしろ血糖値急上昇のせいで、結果として脾臓とか、諸々が疲労する。だからやはりおにぎりはベスト・オブ・ベスト。

おにぎりはもちろん美味しいが、この頃は、ガスバーナーを持っていって、お湯を沸かしてカップ麺や(グルテンフリーのフォーとか)、ドリップコーヒーを淹れるのだが、とにかく美味い。

時々だが、ビールも飲んだりする。もちろん高尾山くらいのレベルの山だ。山小屋に泊まるのなら多少は飲んでも構わないけど、基本的に酔って歩くなんてのは、考えるまでもなく危険だ。

で、そのビールにしたって山頂であっつい日に飲むのは最高である。

そもそもビールという飲み物自体が、暑い場所で飲んだ方がいいに決まっている。だから夏場が美味い。

それを夏だと店内がクーラーガンガンなので、はっきり言ってビールのうまさは激減どころか、体を冷やし過ぎて健康に悪い。

ここがポイントだ。真にうまいものは、体に良いのだ。体に悪い、なんてことはない。

暑すぎるから、ほどよく体を覚ましてくれるビールが美味いのだし、汗をかいた後だから、塩気の効いたおにぎりが美味いのだ。

食と文化はセットであって、南国でフルーツがたくさん実のは、体を冷やすためだし、北国では根菜類などがよく育ち美味しいのは、体を温めるためだ。

グルメというのは、単に舌の「味覚」だけで味わうのではなく、全身で味わうのだ。舌だけに美味しいのなら、その辺でカップヌードルやらハンバーガー食べても美味いのだ。どうして美味いって、「美味しいと感じるように」作られているからだ。

企業は「人が美味いと感じる味」をとことん研究していて、そのためにさまざまなアミノ酸調味料などをぶちこみ、油分や糖分など、人間の本能に直結するような成分を混ぜ込んでいるのだから、「美味しい」よりも「美味いと感じる」ようにできている。

しかし、舌は騙せても、内臓は騙せないし、細胞とか、エネルギーは騙せない。

真に美味しいものは、まず「自分に必要なもの」なので、その食材が自分に溶けていくような、染み込んでいくような快感がある。ただ舌に旨いだけのものは、口の中で表面的な感覚しか起きない。

山でのおにぎりが美味しいのは、必要だからだ。空腹時に食べるものはなんでも美味しいのも必要だからだ。

これから食糧危機が来ると言われている。危機、とまではわからないけど、来年や再来年は、例年のようにはいかないのは必須だろう。

しかし、現代人は必要のないものを食べ過ぎている。そして、まだ食べることのできる食材を、我が国日本は世界一廃棄し続けている国だ。

今すぐ、食ってもんを見直し、改めないと、行ったものは返ってくる。だからしっかりと、自分の心を変化させた方がいいと思う。しかし、多くの人にとっては、食糧危機くらいになって、本当に好きなもん食えなくなって困ってからじゃないと、その辺に真剣に取り組む人はいないだろうなぁと、諦めてもいるが…。

まずはあなたもクタクタになるまで歩いてみればいい。そしてうんとお腹を空かせてから、シンプルなものを口に入れて、よく咀嚼する。本当に「美味しい」ってことがわかるはずだ。

本当の「美味しい」がわかってくると、本当の「美しい」とか、本当の「楽しい」とかの受容感度が高まるし、本当の「やりたいこと」とか、本当の「欲しいもの」への自分の心へのアンテナが立つようになるよ。

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☆ LIVE予定。
8月21日(日) 『声』 女性性をひらく、巡る音楽“音体験”  東京 残5名
8月27日(土) 『声』 女性性をひらく、巡る音楽“音体験”  大阪 残2名

☆ Youtubeチャンネル

☆ サークル「探求クラブ」(noteメンバーシップ)

☆ Youtube アーティスト・チャンネル 新曲「八月の夜」


おまけ

山でこんな感じです。

山メシ。山コーヒー。楽しんでます。(水を運ぶのが重いけどね笑)


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