マガジンのカバー画像

モノづくりインタビュー

22
なぜイタリアのモノづくりは、色っぽくて魅力的? 彼らの美意識が生み出すものとは? そこから生み出される、ホンモノの力とは? 考えてもわからないことは、本人たちに聞いてみよう! …
運営しているクリエイター

#この街がすき

路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.3

今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 1960年から同じ場所に工房とショールームを構え革製品の商品を作っている、フィレンツェの老舗店です。 第2回目はお店や販売のことなどを伺いましたが、第3回目は工房でのお仕事や想いについて、職人アントネッラさんに伺います。 ******** Q. クラシックな形が多いですが、新しいデザインもされますか? 壁に掛けられているのは、1960年から現在までの型紙です。 番号が振って

路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.2

今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 1960年から同じ場所に工房とショールームを構え革製品の商品を作っている、フィレンツェの老舗店です。 貴重な時間を頂いてしまうので、 あまり長居をしないように心がけています。 しかし日本贔屓の職場ということもあり、 ついついおしゃべりに花が咲き あっという間に時間が過ぎるのを 引き戻しながらのインタビューとなりました。 楽しそうな工房の雰囲気も感じて頂ければ嬉しいです。 **

路面店のない、ハンドメイドの鞄店。 - n.1

今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 フィレンツェの駅名にもなっているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。 教会から5分ほど歩いたところに、1600年代に建てられたファリノーラ邸があり、邸宅の正面玄関には、フィレンツェらしくメディチ家当主の胸像があります。 当時の主人がメディチ家から重要な任務を与えられていたようで、感謝を込めて自邸に胸像を飾ったようです。 この邸宅の2階が今回訪れる工房です。 2018年までは通りに

サーファー、営業、そして職人。ゾウガニスタ 望月さんの物語。 - n.1

まずは、こちらをご覧ください。 木の色と肌の風合いを活かし、組み合わせ、製作された、木の調和が響く作品。 木象嵌(もくぞうがん)という技術で製作されています。 イタリアでは1300年代に用いられ始め、ルネッサンス時代の1400年代には、遠近法を用いた図案で飛躍的に技術が進歩します。 そしていま。 機械という文明の利器で、あっという間に木を切れますが、そんな時勢に逆流するかのように、糸鋸を手に、ひとふり、ひとふり、木を切り、自身のデザインを手がけるひとりの職人がいます

香りの工房。n.9 *調和と幸福のありか。*

今回で香りの工房も最終回。先に植物を100%原料としている製薬会社の博物館へとご案内し、マリア・レティツイアさんのアトリエに戻ります。 前回までのシリーズは、本投稿の一番最後に案内していますので、ぜひお立ち寄りください。 Aboca アボカ本社のある土地名をそのまま社名にしたアボカ。あたり一面に咲いていたキンラン草を、土地の人がアビガ(Abiga)と呼んでいたことから、アボカという土地名になったそうです。 現在アボカでは、1700ヘクタールの畑に60種類の植物を栽培し

バイオリンの妖精 * 後編 「いま」そして「これから」。

前編は、パリスさんを取り巻いていた「きっかけ」をご案内しましたが、後編は、「いま」活動していること、「これから」向かおうとしている所について、話しを伺います。 *リュテリア・トスカーナ(Liuteria Toscana)パリスさんが所属している工房、リュテリア・トスカーナは、同名で学校もありますが、ここは学校ではないんですよね? 学校は隣町にあります。生徒が実習にくることがあり、そのときは、空いている台や、わたしが使っている台をシェアして、全員が作業できるだけのスペースが