BAR Arthu De Rimbaud@note

神戸三宮の東門筋、その一本東の路地裏のバー、BAR Arthu De Rimbaudの…

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神戸三宮の東門筋、その一本東の路地裏のバー、BAR Arthu De Rimbaudの店主が書くnoteです。旧ブログから移転して、ここに来ました。旧Blog:http://bararthuderimbaud.blog16.fc2.com/

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最近の記事

BRIDGE2020#10 橋の歌もあれこれ

橋の出てくる歌といえば、真っ先に思い浮かぶのは、サイモン&ガーファンクルのBridge Over Troubled Waterです。「君が困ってるときには、僕が橋に、荒れ狂う水の上に架かる橋みたいになってあげるよ」という歌ですね。でも実際にそんなことしたら、背筋がいくつあっても足りなさそうですけれど。 次に思い浮かぶのは、ジャズミュージシャンのソニー・ロリンズのアルバムとその表題曲「The Bridge」ですね。これは彼が世間から姿をくらませてるあいだ、ある橋の上でずっと練

    • BRIDGE2020#9 渦潮、巻け

      このまえ、鳴門海峡の橋を見に行こうと思って、神戸を離れ徳島へと、足と羽をのばしたのです。鳴門海峡に架かる橋は大鳴門橋と言いますが、僕は予期せず、その橋よりも、その橋の下で行われている営み、そう“渦潮”に、好奇心の矛先を完全にもっていかれてしまいました。あれは凄かった‥。 訪れた日はたまたま“大潮”と呼ばれる、渦が最も大きくなる日で、居合わせた時間帯もちょうど良く、ご飯屋さんの方が「最高のとき」と仰るようなタイミングでした。鳴門は神戸からも近いですし、有名な観光地ですので渦潮

      • 【明日の日曜は営業して月火とお休みします】

        ちょっと変則ですが、明日2月9日の日曜日はお店を開けて、10日の平日の月曜日と11日の祝日の火曜日は連休をいただきます。いつもと違って、とつぜんでややこしくてすみませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。 さて写真のタコちゃんは、お正月休みに行った広島県の、三原駅の商店街の道路脇にあったものです。かわいいですね。思わず写メってしまいました。写メって言わないですね、もう。えー、三原はタコが名産だそうで、駅前はそこらじゅうタコだらけでした。僕はタコをいただく間もなく、商店街を

        • BRIDGE2020#8 うみはひろいな

          童謡「うみ」の歌詞はご存知ですか?実は3番まであります。ちょっと歌ってみますね、ごほん、さんはい☞海は広いな、大きいな。月は昇るし、日が沈む。海は大波、青い波。揺れてどこまで続くやら。海にお船を浮かばせて、行ってみたいな、よその国。 いい歌詞です。のんびりとしていて。この歌詞の語り手は、ほぼなぁ〜んも考えていないように思えますね。でもそらそうです。ちょうど海をぼんやり眺めているときの心もちがそのまま言葉で表現されているのです。だいたいこんな感じですもの。海を眺めているときと

        BRIDGE2020#10 橋の歌もあれこれ

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        • BRIDGE2020
          10本
        • お店からお知らせすることから
          2本
        • 店主雑感
          7本
        • Voyage
          11本
        • What A Wonderful World
          12本
        • 店主ひとふでがきRadio
          12本

        記事

          BRIDGE2020#7 橋の美しさについて/自由とは何か?

          橋は美しいです。僕はそう思います。先日、明石海峡大橋を改めて見に行ったのですが、あまりの大きさに打ちのめされ、なんと美しいんだと圧倒されてしまいました。橋はアイデアとしてすでに美しいのだと、そのときにわかりました。橋は美しくなければならないのです。 なぜ橋は美しくなければならないかというと、美しいということは、理に適っているということだからです。橋は理に適わないといけません。必ず安全でなければならないからです。橋は、物理と自然と地理の法則に完璧に従い、その理に適っているので

          BRIDGE2020#7 橋の美しさについて/自由とは何か?

          BRIDGE2020#6 ジンベエザメと灯台守

          海が好きです。でも、海の生き物にはほとんど興味がありません。水族館はけっこう好きですけれど、ダイビングをして魚と戯れたいとは思いません。魚を食べることは好きですけれど、特別に人一倍好きなわけでもありません。でも海の生き物を食べる文化や、それにまつわる技術や歴史や考え方にはちょっと興味があります。 ただ生まれ変わったらジンベエザメになりたいとは考えています。なぜかというと、ジンベエザメには天敵がおらず、そこらへんを漂うプランクトンが主食なので、生きていくのにまったく困らなさそ

          BRIDGE2020#6 ジンベエザメと灯台守

          BRIDGE2020#5 時つ風、吹け

          「海の辞典」という本を買いました。中村卓哉さんという水中写真家の方の著作で、海の美しい写真と共に、海にまつわる様々な単語や言い回し、格言や言葉がたくさん載っている、とても落ち着いた良い本です。適当にパッと開いたページを読むだけで楽しめちゃう感じです。 せっかくなので、僕が気に入ったものをいくつか紹介します。まず「時つ風」。これは“時津風”と書かれることも多いようですが、この本では“時つ風”と表記されています。ときつかぜ。意味は、ころあいよく吹く風・満潮時に吹く風。ときつかぜ

          BRIDGE2020#5 時つ風、吹け

          BRIDGE2020#4 Fコード海峡の死者たちへ

          若いときにギターに挑戦したものの挫折をした、という人がこの世の中には沢山います。あなたもそのひとりですね?そう、世の中は人それぞれ。挫折した理由も人それぞれ。かと思いきや、ギター演奏という大海におきましては、例外的にそうではなく、なんと実に94%(当社調べ)の理由が「Fコードが押さえられなかった」であることは、よく知られている事実であります。 Fコードの押さえ方は実に難しく、人差し指一本をベタ置きして、横一列の弦を6本全部いっぺんに押さえなくてはなりません。このFコードにた

          BRIDGE2020#4 Fコード海峡の死者たちへ

          BRIDGE2020#3 ブリッジ

          年末年始の旅行で、たくさんの橋を見ました。橋なぞ見るつもりはさらさらなかったのですが、島の多い地域では、どうしても自然にたくさんの橋を見ることになり、結果的に記憶と印象によく残っています。 僕は以前から、離れているものを繋ぐ、まったく関係のない概念や事物を繋いで扱う、ということのアナロジーとして「ブリッジする」というふうに、あくまで言葉として「ブリッジ」という言い方をよく使ってはきましたし、そういう感性や感覚を好んではきました。 でもこれだけたくさんの本物の橋を見たのは初

          BRIDGE2020#3 ブリッジ

          BRIDGE2020#2 (いったいどういうわけで)瀬戸内?

          去年のなかごろから、ずっと瀬戸内を追いかけています。なんでそんなことをしているのか、自分でもほんとうはよくわかっていません。でもそれをやめる意味も特にありません。とにかくそれをやるんだということ、もうよいと感じるまでは続けるんだということがわかっている程度です。 いくつかのそれらしい理由なら、簡単に人に説明するための言い分なら、もちろんあります。ひとつは、そこに日本という国の縮図を見ることができるからです。島そのもの、島と本土、そして島と島の関係と成り立ちを少しでも、解像度

          BRIDGE2020#2 (いったいどういうわけで)瀬戸内?

          BRIDGE2020#1 北極星めがけて

          新年あけましておめでとうございます。ついに世界は2020年代に入ってしまいましたね。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 お正月休みのあいだ、僕はあいもかわらず、瀬戸内海のほうに足を伸ばしてきました。しつこいっすね、我ながら。すいませんね、それぐらいしか取り柄が無いものでして。6日間あったので、この際と思い、瀬戸内海を陸から一周してきました。香川・愛媛・広島・岡山の順に、鉄道と船で海ぎわを時計回りしてきました。僕なりにいろんなものを見てきましたので、また細かいことを書きた

          BRIDGE2020#1 北極星めがけて

          【12/31〜1/5にお休みをいただきます】2019→2020

          今年も残りわずかですね。当店の年末年始の営業に関してですが、大晦日の31日から年明けの日曜日の5日までお休みをいただいて、6日の月曜日から、またいつも通り営業します。どうぞよろしくお願いいたします。 さてあなたにとって2019年はいかがでしたか? そして2020年を、どんなふうに迎え入れようとお考えですか? そうですね、まあ今年は元号が変わりましたし、あと消費税が上がって家計は苦しくなる一方。。。くぅーそんなことはいいんです、そういうことじゃなくてですね、僕は今年はまず、

          【12/31〜1/5にお休みをいただきます】2019→2020

          Voyage #11 Voyage

          ときどき空を見上げます。ふだん三宮で暮らしていると、なかなか広い空を見ることができません。ビルが多いですから。それでもときどき空を見上げます。もともと空を見るのは好きでした。特に夏の。くっきりとした青空と白く光る入道雲のコントラスト。その境界線は硬い鉛筆でピシッと引いたようです。美しい。 その空の向こうに海を思うようになったのは、ごくごく最近のことです。そのとき僕は海の上にいます。海の上にいて、三宮のビルに埋もれて歩く自分を見ています。ある晴れた日に瀬戸内海をゆくフェリーの

          Voyage #10 お酒を作るときに

          お酒を作るときに最も難しいことは、“飲む人がおいしいと感じるもの”を作ることです。それと比べると“一般的においしいとされているもの”を作ることは、そこまで難しくはありません。それでも難しいんですけれど、“飲む人がおいしいと感じるもの”のほうが圧倒的に難しいです。人間が違うからです。 当然ですけれど、自分で作って自分で飲む場合に、これは最も簡単になります。自分が今どういうお酒を飲みたいと思うかがわかれば、それを作れば良いわけです。そこで初めて知識と技術が必要になってきます。こ

          Voyage #10 お酒を作るときに

          Voyage #9 こんな大人でごめんなさい

          今年の頭過ぎぐらいから、お店のインスタグラムなどの更新をずっと続けていたのですが、ここ2週間ぐらい全然やっていません。なんだか気が乗らないのです。気が乗らないことをやっても楽しくないし、見てる方もつまらないだろうと思うので、気が乗るまでほっておこうと思います。こんな大人でごめんなさい。 気が乗らないことをやる、というのを努力と言うのなら、僕は努力することに向いていないと思います。気が乗らないことをやっているときの僕は、その成果の質・量が共にほぼ最低に近い結果を叩き出すことが

          Voyage #9 こんな大人でごめんなさい

          Voyage #8 The伊吹島Cosmos (Album Version)

          このあいだ、香川県の伊吹島という島に行ってきました。香川県の最西の島なのですが、この島は昔からイリコ産業が盛んで、ほぼそれだけで成り立っているような特殊な島です。地勢的にも、近くに島や本土が無く、ちょっとした絶海の孤島のようになっています。長崎県の軍艦島は石炭産業ありきで成立していた島でしたが、この伊吹島はイリコ漁ありきで成立する、いわば天然の軍艦島ではないかと思えます。 実はこのときは2度目の訪島でして、1度目は10月に、どうしても一目でいいから一度この島の土を踏みたく、

          Voyage #8 The伊吹島Cosmos (Album Version)