見出し画像

September Art Scène「世界初開催!全61作品日本初公開」至高のロンドンナショナルギャラリー展へ

こんばんは。先週、久しぶりに美術館へ行ってきました。2月の半ばを最後に、実に7ヶ月ぶりの美術館。どうも気が進まなくて時間指定かつ事前予約が億劫なのでひとりでふらっとが好きな私にとって、ちょうど良いきっかけがあって行ってきました。

そのきっかけとは、美術館に行ったことのない友人の美術館デビューにご一緒すること。たまたま彼女のインスタライブにふらっと参加して、アートの話になったときに行こうって話になって、とんとんと話が進んだことにびっくりした。でも同時にとても嬉しかった。

私はというと、ここ数年は月に1回ないし2ヶ月に1回ぐらいのペースで美術展に足を運んでいました。昨年はクリムト展やフェルメール展が最高でしたね。気軽に美術館へふらっと出かけていた頃が懐かしいです。

上野駅公園口で待ち合わせ。久しぶりに訪れる上野。国立西洋美術館。
上野駅公園口が改良工事中ですが改札は綺麗に完成されていたので、本当に目と鼻の先になった国立西洋美術館。近いので雨の日でも行きやすいですね。駅構内のチケット売り場が少し遠くなってしまったので、こちらはいずれ近くに移転するのだろうか・・・。

さて、今年1番の目玉、ロンドンナショナルギャラリー展。
200年の伝統のあるこちらのギャラリーが国外で作品を展示することは長い歴史の中で一度もなく、それをなんと日本で開催してくれるなんて!という本当に歴史的な展覧会です。開催が延期され、もしかしたらお目見えできないかもと残念に思っていたのですが、6/18から延期開催。

初めての美術館の前に準備すると良いこと


今回は美術館が実質初めて!という友人の為に、事前にアドバイスしていたのが2点あるのでご紹介します。私は芸術大学出身ですが音楽学部だったため、専門的に美術を学んだ訳ではないので、絵画においては完全に趣味です。

1.展覧会紹介動画を事前に見てもらう

前知識を少しでも入れておくと絵画を実際に鑑賞するときに面白いかなと思い、私がよく拝見している美術手帖のサイトからロンドンナショナルギャラリーを30分で解説してくれる動画のページを送り、時間があれば見てみてもらうようお薦めしました。今回は公式サイトの動画もとても豊富でしたよね。ちゃんと見てきてくれて、この作品が気になる!って会場に入る前に話してくれて嬉しかったな。

2.音声ガイドを聞きながらの鑑賞

せっかくならと当日の会場では音声ガイドの利用をお薦めしました。最近では会場で音声ガイドを借りなくても、事前にアプリをインストールしてご自身のイヤホンで聞くことができるようで、こちらも準備して来てくれていました。自分の普段使っているイヤホンで聞けるのはうれしい。
映画はじまりのうたみたいに枝分かれしたイヤホンの片方を貸してもらって私も所々聞かせてもらいました🎧フェルメールの《ヴァージナルの前に座る若い女性》の解説の際、ヴァージナルの演奏が聴けたのも良かったです。

今回の展覧会の構成

第1章 イタリアルネサンスの絵画収集
第2章 オランダ絵画の黄金時代
第3章 ヴァン・ダイクと イギリス肖像画 
第4章 グランドツアー
第5章 スペイン絵画の発見
第6章 風景画とピクチャレスク
第7章 イギリスにおける フランス近代美術受容

13世紀後半から20世紀初頭まで、絵画に特化してヨーロッパの幅広い時代と地域の美術を網羅した「西洋絵画史の教科書」とも言われるコレクションで、初めてのアート鑑賞にもぴったりな企画展でした!
同行者と好みの絵が違ったりするのも面白い。

カルロ・クリヴェッリ《聖エミディウスを伴う受胎告知》1486年

会場に入ると、イタリアのマルケ地方で活躍した画家クリヴェッリの作品が迎えてくれます。事前に動画でも説明されていたので、とても細かい部分まで鑑賞することができました。

ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》1670-72年頃

フェルメールといえば、昨年は日本美術展史上最大規模と言われたフェルメール展が開催されたのが記憶に新しいですよね。私ももちろん足を運びました。今回はナショナルギャラリー作品の隅でこじんまりと展示されていました。思ったより小さい絵で、普段のフェルメールとは光の入り方が異なります。タペストリーやヴィオラ・ダ・ガンバ、金額縁の絵画など、フェルメール作品はあちこちになにかエピソードを含んだものが描かれていてその解説がどれも興味深い。いつか全作品お目にかかりたいものです。

ファンタン=ラトゥール 《ばらの籠》 1890年

薔薇の花びらが幾重にも重なって優雅で気品がある作品。静物画だとセザンヌやシャルダンが好きなのですが、ラトゥールには初めてお目にかかりました。ラトゥールをイギリスに紹介したのは、ホイッスラーだったそう。ホイッスラーによると、ラトゥールは今咲いている花をそのまま描いて作品にしたといいます。どこかで見たことがあるかも?と調べてみると、ラトゥールの妻であるヴィクトリア・デュブールも画家であり、《花》という作品が国立西洋美術館所蔵作品の1つのようでが現在は展示していないようです。

クロード・モネ《睡蓮の池》1899年

画家の中で一番好きなモネ。モネの作品は見ているだけでとっても幸せで満たされた気持ちになるんですよね。モネ展は欠かさず行っていますが、睡蓮の池、少し小さめのキャンバスでしたが、その中に幸福が詰まっていました。いつかオランジュリーやジヴェルニーにも足を運びたいです。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》1888年

そして本展覧会のメイン。フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》。「ひまわりの画家」とも呼ばれるゴッホ。展示室は1作品だけの空間となっていて、遠くからでもはっきりと神々しくはっきりとした作品でした。周りの人たちからも思わず「わぁ」っていう声が聞こえてきました。黄色はゴッホにとって幸福の色。ゴッホは生涯で7枚、花瓶に生けられたひまわりの絵を描いています。

そのうち最初に描いた4枚は、ゴッホが芸術家の共同体をつくることを夢見た南仏アルルで、パリからやってくるポール・ゴーガンを迎えるために描かれた作品でした。ゴッホがゴーガンとの生活を夢見て描いた4枚の「ひまわり」のうち、ゴーガンの寝室を飾るにふさわしいと自ら認めサインを施したのは、そのうちたった2枚で、そのうちの1枚がこの作品。

常設展のすすめ


国立西洋美術館に行ったら、企画展のあと、時間がなくてもお散歩がてら常設展にもぜひ足を運んでほしい。(企画展のチケットで無料で鑑賞できます)
コルビュジエの建築を余す事なく楽しめるスロープや
企画展に負けないくらい豪華な収蔵作品...
モネの部屋ではモネ作品が10作品ほど無料で見られます✨


こちらは基本的に写真撮影もOKなので思い出にも📷


昨年修復され『松方コレクション展』にてお披露目された、モネ 《睡蓮、柳の反映》も見つけました。1年ぶりの再会です。撮影もOK。


時間指定チケットを事前購入しており、私は初めての電子チケットに挑戦。とてもスムーズに入場できました。電子チケットの場合や、コンビニでの発券の場合も、入場口でチケットをロンドンナショナルギャラリー展デザインのものに引き換えて頂けるので、思い出のひとつとして忘れずに。

記憶をしっかり残しておきたくて、noteを書き始めてみたらなんと3000文字を超える超大作になってしまった。読み手が読みやすい文章を書くことって難しいな。これからnoteをたまに書いて文章の筋トレをしようと決意しました。お読みいただきありがとうございました。

ロンドンナショナルギャラリー展は国立西洋美術館にて、10/18まで。
その後11/3〜大阪の国立国際美術館へ巡回します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?