【開催記録】 第31回 アート対話カフェ 2022/11/19(土)
今回のアート対話カフェは、前半と後半で異なるテーマを用意し、参加者の皆さんに対話を行なって頂きました。
【前半】
前半では皆さんに、ワシリー・カンディンスキーの絵を見て頂き、発見したことやイメージしたもの、疑問に思ったなど、より多く言葉に出して頂きます。
作者名や作品名は、参加者の皆さんには知らせていません。ディティールまでしっかり観察して頂き、参加者の皆さんからより多くの言葉を持ち寄って頂きました。
参加者から出た意見
左上の茶色の塊が浮いて寂しい。色使い、画面右側が華やかで左側が寂しい。
リズム感があり楽しそう。踊りたくなる。左上の茶色は風船。楽譜が二つ見える。手の様なものはダンスをしている。
音楽を感じた。右の細長い曲線、縦横の線が楽譜。手の様なものが楽器をつま弾いている。女性が音楽を聴きながら感動し、涙を流している様に見える。
楽しいフェスティバルの雰囲気。仙台七夕の吹き流しのよう。左手の茶色い丸はアドバルーンに見える。小さな四角は吹雪
バックの黒が印象的で時間は夜。左手の白い球形の上が切れている意図は何か
バックの黒と四角は宇宙の星を表している。右手の大きな丸は大きな気球。月と建物。キノコの様なものが人
全体的に横に流れている。音楽をイメージした楽譜に見える。
楽しげな音楽会やパーティを連想させる。
左上の茶色の丸の中は象形文字。港や工場地帯。灯台や波、船、帆、ゲート。
楽しそうなフェスティバル。リズム感、動きがある。バックが黒からは寂しい印象を受ける。二つの印象からちぐはぐさを感じる。女性のように見える部分は寂しそうな顔に見える
バックの黒からすると四角は星?作者独特の感性を感じる。左下の黄色はバナナ。赤はニンジンやトウガラシ。これは何を表しているのか。
バックは黒だけでなく灰色の部分もある。何か意味があるのか。左上の白い丸はシャボン玉。上が切れているのは上に飛んでいるのを表している。世界平和のメッセージを感じる。左上の茶色の丸の中、手をつないでいる、人が立っている。
右下の赤と左下の黄色の手の様なものが絵から浮いているように見える
この様に、ディティールまで観察しできる限り言葉で描写して頂きました。最後にはそれぞれ紙に描き起こして頂きました。
細部まで観察し言葉にしたものは、自然と頭の中に残るものです。しかし、言葉にしていないもの(観察していないもの)を、表現ことは難しかったのではないでしょうか。
前半では参加者同士で異なるイメージ(言葉)を互いに交換しあうことで、記憶に定着するだけでなく、より観察が深まる、といった体験をして頂きました。
【後半】
後半では、ディエゴ・ベラスケスの作品を使い、参加者同士で議論を行って頂きます。こちらも作者名やタイトルは明かさずに始めていきます。
また、今回は次の2つの質問の2つの質問を頭に入れて頂き、対話を行って頂きます。
意見と根拠(事実)を明確に分けて発言して頂くことで、より参加者同士の意見交換をスムーズに進めることを目指します。
参加者から出た意見
争いの後、和解されようとしている。後ろの町に煙が立っている。集団が持っている物は武器。真ん中の二人が和平交渉の会話を交わしている
援軍に来た様子。左側の集団は色んな服装。右側の集団は揃った靴や槍から組織だった軍。真ん中の左側の人がカギを渡そうとしている
右の集団は上層階級。左側は若い、農民など村人たち。左の緑の服を着た人と右の髭を生やした人の目線が作者を凝視しているのが気になった
右側の集団の槍、左側の集団のまばらな武器。中央の左側の人が渡そうとしている丸い物は日常的に使われている物。右の人は左の人を懐柔しようとしている
中央の二人、右側の人が左の人をなだめている。左手の人がカギを渡して和解。左の人は上層階級の人。右隅に落ちている紙は何か?
中央左の人が渡しているのはカギ?右の人は馬から降り、望遠鏡を持っていることから指揮官。戦禍を離れて話をしている。煙が上がっているのは戦争の時間が長いことを表している
左側に煙が上がっているのを見ると左側の村人の土地が攻撃されている。右の集団のほうが戦力的に勝っていて、左側がやられている。旗が違うのを見ると違う国の人。中央の右が勝者、左は媚びた表情の敗者。和解している
左隅の紙は和解書?中央の右の人が方から巻いている布の巻き方が不都合なものを隠そうとしているのを表している
中央二人はトップ。左の人が渡そうとしているのは大切なカギ。それを渡して終わりにしようとしている
銃口が下げられ、戦いは終わっている。シリアスな中に遊び心がある。左側の銃を担いでこちらを見ている人は作者の様。
右側の馬が後ろ向きなのが違和感。左側の集団が右側の集団に付き従うのを馬が表現している。右が勝者で左が戦意消失
絵から戦意を感じないので和平交渉の絵。左側の白い服の人は違和感があり、人質なのか?
中央の人が和平交渉しているように見えるが、契約書が散らばっているところを見ると信じるなかれと言うことを表している
腹の探り合い。左の人がへりくだった様子から何か企んでいる
この様に、今回のアート対話カフェも参加者の様々な視点から意見交換を行なって頂きました。
次回もお楽しみに。
ご興味ある方、ぜひ一度ご参加ください。
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