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【開催記録】 第57回 アート対話カフェ 2024/2/17(土)

今回も沢山の方と一枚の絵を通して対話を行いました。

【前半】

前半では皆さんに見て頂いた絵は、こちらの絵です。
描かれているものをよく観察し、言葉にして頂くことを目的としました。

ワシリー・カンディンスキー 《”In the Black Circle from Behind the Mirror" 》(1960)

参加者から出た意見 

  • ロケットが見える。真ん中の白い部分。左上がロケットが飛んでいるよう。

  • 黄色いギザギザがすい星に見えました。流れ星。先が丸く、後ろがロケットとおっしゃった方と同じように流れているように見えた。

  • 1/4に分割すると、左側がネコの頭に見える。

  • 右下がトリのくちばしに見える。真ん中はサングラスをかけている人が見え、建物にも見える。

  • 宇宙を連想した。この作品見たとき要素が多く、二つの印象の違うものが見える。ロケットみたいと言われたところが工場地帯、街が見え、それ以外は宇宙に見える。丸みを帯びているところや直線的なところがあり、対比が気になる。

  • 月の絵と思った。全体の丸が裏と表を訴えているのかな?皆さんのお話しを聞いているうちに宇宙を感じてきた。橋があるようにも見えるのがあるので不思議もあるんですが。

  • 黄色い白いところが人工的なものを感じた。サングラスと言われたところが船にも見えてきた。Ⅿ字が波。人工的で工場的で都市も感じ。

  • 疑問あるんですが、この絵、なんで丸なんでしょう。自分で回答が見つからず。

  • 地球と地球の中に宇宙があるのかなと思った。直線的が人工物、曲線が自然と対比されているのかなとも思う。また、船とおっしゃった方がいらっしゃったが、私はヨットに見えた。

  • ヨット、客船、ロケットとなって、自然の中に人工物があるのではないかなと思えてきた。

  • 私には瞳にしか見えない。瞳の中に見たものが映っていると思う。赤と青の点々が静脈。黄色がリンパに見える。黒い部分が瞳孔が広がってるように見えた。

  • 黒くて丸いものはレコードで、中に描かれているのは音楽。猫も音楽、直線、曲線も。石っぽいのもあるけど、リズムとかいろんな要素が感じられてそう思えた。

  • ロールシャッハテストをしているみたい。描かれている意味はないんじゃないか?

  • 王様みたいに見える。黒いクネクネが足に見える。顔とひげが見える。ギザギザが王冠。

  • 皆さんの話を聞いて、ボルダリングを思い出す。都会でボルダリングをしている自分がしている頭の中のよう。緊張感も感じる。

  • 丸がないと天地がなくても不思議じゃないので、混沌として絵として自然になるのかなと思った。円があることで調和、まとまりがある。周りに余白があると客観的に見えると作者の狙いがあったのでは。

  • 地球なのか、混沌とした世界と見てて、皆さんの話を聞いて単細胞に見えてきて、グレー部分がアメーバーにも見えるし、人の誕生も想像できるかなと思った。

  • 円の中に入っていることを考えると、右下のくちばしと言われたところから全部が吸い込まれているように見えている。この円も吸い込まれて小さくなって最後になくなるのではないかと。ブラックホールみたい。

  • ブラックホールとつながるかもしれないけど、この丸が地球になると、暗いイメージ。地球は青いので、何か真ん中の明るさに対して暗いイメージもわいてきた。


【後半】

後半ではこちらの絵を見て、参加者からぞれぞれ意見を頂きました。

ギュスターヴ・クールベ 《画家のアトリエ》(1854-1855)

参加者から出た意見 

  • 画家がヌードの絵を描いているように見えるが、描かれていない。左奥にヌードの男性が吊れられている。手前にドクロがある。

  • 5つの部分に分けてみた。真ん中の画家は一番明るい。下にネコがいる。左端が皆うつむいていてギターがあり、犬?がいる。絵の後ろはキリストに見えて、右に人がいるのが鑑賞者なのか塊がある、右端に本をもっている人がいる。

  • こんな場面って、現実にあるの?舞台なのでは?でもなぜヌードの女性が一番明るいのか。舞台としても不思議。猫の左の横に誰の太もも?というのが見える。

  • ヌードの女性の下にくしゃくしゃしているのは、脱いだ服?ということは、ここで脱いだ?右に這いつくばった人も見える。

  • 右と左で雰囲気が違う。左は暗く、働く感じ。右は日常というふうに見える。真ん中のキャンバスの奥の壁面にも絵が描かれているように見えるが暗い。

  • 左の一団、真ん中に裕福層な山高帽を被っている人がいる。その人に品物を見せている人がいるように見える。ほかの一団は狩猟をしている人に見えるので、裕福な人に獲物を買ってもらうのか、捧げるのか?犬が2匹いるのが猟犬にも見える。

  • 左側にいる人が身分が低く、右側が身分が高めに見える。右側の手前の女性がこの中でも身分が高い人なのかな。這いつくばっている人はなんだろう?左のギターの脇にナイフがあって、犬や猫、布が明るくなっている意味合いが気になる。

  • 右側と左側の一群に分けられている。本を見ている人がいるとなると、台本見てるのかな?でも画家とモデルがなんなのか?舞台にしか見えないけど舞台としても不思議なんだけど。

  • 右左の対比がすごい。右は空間を見たときに、ゆとりがある。左は多様な人たちがギュッとしている。本が読める人は富の象徴か?画家の絵が右に見えるようになっている。右の人たちに見えるようにしているので、パトロン。左は美術に関係してないという感じになっているのでは。

  • ヌードの女性がギリシャ美術みたい。それに何か意味があるのでは?

  • 全体的に人がたくさんいる。半分以下が壁っぽいか、そこにも絵が描いてあるように見え、それはなんだろうか?洞窟?おおきな舞台とか天井の高い部屋?この空間も大事で広く描かれているのかな。

  • 後ろの壁ですが、柱がうっすらと見える。柱なんだけど、外の光景も透き通って見えている感じ。自然の風景が柱に透けている。柱が本当にあったら透けないはずなので、右にいくほど柱はっきりして、ここは室内と感じる。

  • 真ん中の子どもの服装が、靴が粗末でズボンすそが切れている。上着も腕のところで切れている。この画家の子どもではなく、何かの象徴ではない。貧困を表している。そしてヌードは誘惑を表している?画家にはこの二人に関係せず絵を描いている。

  • 画家の人は、絵に隠れて後ろの悲惨な姿が見えてないのでは。貧困の子どもを見ても見えてない。当時の社会情勢を見ておらず現実社会を見てないのでは。

  • 真ん中に絵を描いている男性とヌード女性、壁を取り除くと、大広間で毛皮を買ってもらう、収める一団がいる。そうなると自然に見える。ブルジョアを批判しているような作品?

  • 真ん中の丸がレリーフに見える。その中には女性の顔が見える。この女性が何らかのキーワードに見えるかな。

  • 右の人々に明るい柱の下に女性が描かれているように見えるが、ささやき合う男女のむつまじい関係が見える。画家は本当はここを描きたかったのでは?

  • 絵に布みたいなのがかかっているのがこれは何か?もしかして画家は、絵に布があることでモデルも布をもっているので、布つながりで画家は女性を描いているよとメッセージを表している。それを見ている子どもがどっちを描いてるんだ?ってのぞき込んでいる。この作品は右左は違うけど、世の中は違うものが存在するが、そういうものだと画家が子どもに世の常を教えている。


最後に

今回のアート対話カフェも参加者の様々な視点から意見交換を行なって頂きました。ご興味ある方、ぜひ一度ご参加ください!
次回もお楽しみに。

お申し込みはこちらから。

https://www.kokuchpro.com/group/adcf/