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弱さと強さ『ぼくと満月』1万回再生に感謝を込めて(7)

エンジニアであるGUN-Zさんとお会いしたのは7月に入ってからでした。
あの日は暑い日でした。

それまでの間にも連絡のやりとりというのはあったので、大まかな打ち合わせもできていて、ある意味そのまま全部決めて進めるということもできたのかもしれませんが、ミニアルバムという1年をかけて作る大きな作品に一緒に挑ませてくださいと気持ちを伝えて、相手の思いも直に受け取るという過程が僕は好きでした。
最後に顔を合わせるということによって安心して二人三脚ができるというところもあるし、レコーディングに限らず誰かと何かを一緒に作る上で、可能な限り会いに行くということが僕にとって今でも必要不可欠なことです。
そうしてその日もレコーディング現場でもある場所へと電車で揺られ、GUN-Zさんに会いに行ったのでした。


GUN-Zさんとの事前ミーティングは本題に触れる時間がとてもわずかです。
パパッと端的にベクトルや曲数やテーマを伝えて、よしわかった頑張ろう、だいたいそんな感じ。笑
あとは音楽に関わる他の話だったり、音楽でもなんでもないお話だったり。(シギさんのことを聞いたのもレコーディングの打ち合わせの時だったし、この間のレコーディングでも旅行の話をたくさん聞きました。なんて楽しい打ち合わせだ。笑)

細かいところは必要なタイミングで随時伝えていくという形なので、スタートを切るにはそれで事足りるということなんだと思うんですが、それまでのエンジニアさんと制作する時は曲のことを事前に細かく伝えてっていうのを大切にしていたので、最初に一緒にやらせていただいた時は「あ、あれ、もうこれでいいの?」と少し驚いていたと思います。
でもこの形でGUN-Zさんは僕の思った通りの楽曲に仕上げてくれるんです。

GUN-Zさんわかってくれてるんだなと、僕は思いました。


あと基本的に打ち合わせやレコーディングの時僕は極度に緊張していることが多いです。
早くやらなきゃ、細かく決めていかなきゃと心がワタワタしています。(表には出ていないはず、だって他の人には落ち着いてるねって言われるもん)
そんな僕を察して雑談をする時間を長くしてくれているのかもしれないと思う節もありました。

GUN-Zさんわかってくれてるんだなと、僕はいつも思います。


僕は小心者です。
今っぽく言うと「ビビり」です。
何でもかんでも基本的にオドオドしていて、人と関わる時のベースメンタルは「気持ち悪いと思われませんように」だとかマイナススタートからのコミュニケーションになることが今でも多いです。
打ち合わせになると「こいつ何もわかってねえな」とか「こいつとやるの嫌だな」とか思われないかとか、どこか打ち合わせ時に落ち度があって見限られてしまわないかとか。
特に音楽エンジニアとの場合はトラウマ的な経験もあって、打ち合わせに入る前に立ちくらみして嘔吐くくらいストレスを感じます。
ここに関して特にGUN-Zさんと会えてなかったらと思うと本当にゾッとします。


GUN-Zさんだけじゃなく、このあとの工程でレコーディングに関わってくれるミュージシャン達は僕のことをたくさん理解してくれている人ばかりです。
そして僕よりも遥かにミュージシャンとして音楽を理解している人ばかりです。
僕はどこかで「彼らにバカにされていやしないか」「バカにされてしまうんじゃないか」と不安になることがあります。
それは彼らへの不信からではなくこれまでの経験によるもので(次の記事でまた触れます)、その度何時も心からあたたかく自分のことのように関わってくれる人たちの存在に対して罪悪感と感謝の気持ちでいっぱいになります。



もう正直、他のエンジニアさんと作りたいとは思いません。
GUN-Zさんと作る以上にいいものができる気も、楽しく歌える気もしないからです。

改めてこの作品という意味でも、もちろん他の作品に至っても、GUN-Zさん無くしては生まれていませんでした。
本当に感謝しています。

あれ、この記事でレコーディングをし終わるまで書こうと思っていたのに、なぜかGUN-Zさんへの内容で文字数を使い果たしてしまった。
…ということで今回の連続記事ももう少し長く続きそうです。

もうしばしお付き合いのほどを。

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