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シカゴ・ホワイトソックス ―2022年後半戦の展望―

MLB関係のnoteを僕みたいな者が書いて良いものなのかとTwitterで独り言を言った後、結局誰に許可を取るでもなく書き始めてしまいました。以下駄文となりますが温かい目でご覧いただければ。

概況

 TDLが過ぎた現地8月4日、CWSはアウェイでTEXに敗北して53勝52敗、アメリカン・リーグ中地区3位につけている。
 ちなみにこの前日KCに勝利して53勝51敗としたが、CWSの貯金が2に達したのは現地4月20日のCLEとのダブルヘッダー1試合目が終了した時点以来、実に約3ヶ月半ぶりのことであった。

 思い返せば、中地区優勝候補筆頭と目されておきながら主力の不調や怪我による離脱に悩まされ、ここまで勝率.500近傍を彷徨ってきた。

前半戦雑感

打者

 AJ PollockJosh Harrisonは、それぞれRF(/LF)と2Bという穴を埋める的確な補強と思われたものの、成績を見れば物足りないどころの話ではない。また昨季はそのアンバランスな成績が一部で話題になったYasmani GrandalはここまでSLG.236 OPS.523と、別人のような低空飛行(物理)ぶりである。

 若い選手達のスペ体質も目に余る。
 特にEloy Jiménezは、短縮シーズンの2020年の活躍を踏まえて実力を証明したかった去年も怪我で55試合の出場に留まり、今年こそと臨んだこの4月にはハムストリング、7月には足(詳細不明)の怪我でそれぞれ離脱。ここまで30試合にしか出場していない。この分だと、カメラの前での代名詞 "Hi Mom!!""Hi Doctor!!" に変更した方が良いかもしれない。

 他にも打撃で低迷するMoncada、数年後のMVPとの呼び声が高い【要出典】Robertなどにもとにかく怪我が多く、この問題を解決できない内はチーム成績も上向かないと思われる。

投手

 先発ではGiolitoLynnというローテーションの柱が開幕からいきなり不在となり、ST前に契約した(SDファンのトラウマ)Vince VelasquezやプロスペクトのDavis Martin、FAとなっていたベテランJohnny Cuetoで穴を埋め(ようと試み)た。
 結局Giolito、Lynnはここまで共に防御率5点台と本調子ではない様子で、ここ数年に渡ってパフォーマンスが低下していたDallas Keuchelに至っては5月にDFAとなった。

 それでも今季先発に転向したMichael KopechDylan Cease(後述)やCuetoは安定している。詳しく述べると長くなるので割愛するが、ブルペンにしても先発にしても、開幕前主力と見なされていた選手がイマイチな成績である点は打者の問題点と重なる。
 

8月以降に向けて

 なんだかんだ言っても地区首位のMINとは2.0ゲーム差で、シーズン最後の3カードのうち2カードは直接対決と、ここからでもチャンスは十分あるというものだ。
 ということでタイトルにもある通り、今後の展望に話を進めたい。

 やはり重要なのは1にも2にも先述の主力、特にPollock、Giolito、Lynnの復調であり、全員が揃えば予想ラインアップとローテーションは以下の通り。

  1. SS Anderson

  2. 3B Moncada

  3. CF Robert

  4. 1B Abreu

  5. LF Jiménez

  6. DH Vaughn

  7. RF Pollock

  8. C Grandal

  9. 2B Harrison

  1. Giolito

  2. Lynn

  3. Cueto

  4. Cease

  5. Kopech

 とこのように、全員が健康かつ不調でなければコンテンダーの名に恥じない編成になる。
 ここでは残りシーズンで注目したい選手を投打1人ずつ紹介して締めくくりとする。

Tim Anderson

 自身初のASスタメンに選出された今季のここまでの成績を(雑に)抜粋すると以下の通り。

打撃①       BA / OBP / SLG
2021年      .309 / .338 / .469
2022年(8/3時点)    .313 / .352 / .411

打撃②  K%  Barrel% Hard%
2021  21.6%  7.8%    33.7%
2022  14.5%  5.9%    29.3%

守備   DRS OAA UZR
2021   3    3  −0.9
2022    −6  −1  −2.6

https://www.fangraphs.com/players/tim-anderson/15172/stats?position=SS

 大まかに言えば、打席での"粗さ"はやや改善されたものの、ゴロが増え、長打率が伸び悩んでいる。その影響もあって俊足でありながらGIDPが増えた(昨季5個に対して今季ここまで10個)のも残念なところ。
 また守備でも去年改善の兆しが見られた指標が軒並み低下し、精彩を欠いている。
 そのヒットツールに加え、昨季のField of Dreamsでのサヨナラホームランなど勝負所での1本を打つ力はチームに必要不可欠なので、後半戦の巻き返しに期待したい。


Dylan Cease

 彼一人についてでも記事が書けるくらい、その活躍は目を見張るものがある。
 今季はG 20 / IP 116.2 / ERA 2.01 / SO 161 / WHIP 1.17の堂々たる成績でCY賞候補の一人だ。またSO9は12.42となっていて奪三振能力の高さを示している。

 ヒゲが印象的なヨガ愛好家の更なる成長の裏に何があるのか。答えはやはりスライダーであろう。かのピッチングニンジャが毎週Twitterに動画をあげているので、目にしたことがある方も多いのではないだろうか。
 実際、コーナーに投げ分けるスライダーは被打率.122Hard Hit% 18.9%、Run Valueは驚異の-29と猛威を振るっていて、昨年の30.6%から42.0%に投球割合を増やし、4シームより多投するようになったのも頷ける。


 Ceaseについて課題を挙げるなら四球の多さで、それが三振数に比してやや高いWHIPと平均IPの少なさに繋がっている。特に後者は5.15 IP/Gと、ALのCY賞を争うVerlander(同6.15)、McClanahan(同6.03)に水をあけられている。
 とはいえまだ伸び代のある年俸調停前の26歳、今後の飛躍に期待したい。

終わりに

 以上、同じシカゴでも日本人選手もいなければ夜な夜なスペースでラジオが開催されることもない球団について、ド素人がネガティブな内容多めにまとめてみました。
 最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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