四月一日。一年前の私は。
また一年が巡った。
私の中で四月一日は、一月一日よりも時の流れを振り返る日なのかもしれない。
昨年の四月一日は、上京してきて新居の入居日だった。
ちょうど一年前に書いた記事があるのでぜひお時間のある方は読んでみてください。
20代の前半から東京に住みたいと何度もチャンスを伺ってはいたものの、中々機会に巡り会わなかった。
30を過ぎ、もう関西でもええかな。と諦めかけていたタイミングで動画の仕事が軌道に乗り、行かざるを得なくなったという表現が正しそうだ。
その頃私は、プライベートでとても疲れることがあって(いつかこの話もできたらいいな)、東京行きも心を切り替えるいいタイミングだったと、今になって振り返る。
世田谷に借りた部屋はとても小さく(もう引っ越しているので今は世田谷におりません)それでも一人暮らしには十分だった。
食器などの身の回りがほとんどないので、夕暮れ時に世田谷線の横を歩きながら100円ショップに買い物に出かけた。
世田谷線は下高井戸と三軒茶屋を結ぶ超ローカル線で、ガタンゴトンと走る姿が可愛い。
世田谷は大きなお屋敷と、一人暮らし用のアパートが立ち並ぶ街で治安もいい。公園では子供達がボールを追いかけていたり、犬の散歩をしている人がいたり、とてものどかな土地であった。
私は引っ越しの直前までベッドを購入していなかったので、寝具の到着は入居から一週間後だった。どうしたものかと悩んでいたが、母から「これ持って行ったら?」と言われたキャンプ用の寝袋が活躍した。
初日は寝袋だけで寝てみたのだが、朝起きたら腰が痛くてたまらない。
枕もなく、床にほっぺたをつけて寝ていた。
翌日は引っ越しに使った段ボールを敷いて、寝袋で寝てみた。
幾分かマシになった。
慣れない部屋で、家具も全然なくて、夜は寂しかった。
なんでここにいるのだろう?と朝寝ぼけて目が覚めることも何度かあった。
自分の思い描いていた人生はいきなり崩れてなくなるし
変えようと思ったら、いつからでも変えられることを
芋虫のように丸まりながら考えていた。
これはメンタリストDaigoさんが言っていた話なんだけれど
住む場所を変えると人生が簡単に変わるというのは本当だと思った。
ある真夜中に、ものすごい音がするな!!と飛び起きたら、部屋のすぐ裏の線路で、電鉄会社の人たちが大きな作業車と灯りを焚いて線路の作業をしていた。
ご苦労様です。東京の最終電車は遅いし、始発も早いので、夜中の2時に作業をするのも、最もだと思った。
東京に住み始めてからというものの
取材に行くことが多かった森美術館も1時間で行けるようになり
変な気持ちだった。これまでは新幹線で半日かけて行っていたのに。
新宿駅は人が多過ぎて、ラッシュ時間はリュックを前にして列を乱さないようにエスカレーターに乗る人たちに従うことを覚えた。
大阪にいた頃のように、街で知り合いとバッタリ会うことなんてないし
全身阪神タイガース姿の人も電車にはいない。
大阪にいた頃は、自分が成功できないのは東京にいないからだ!と勝手に思い込んでいたのだが、東京に来てしまった以上、あとは自分の頑張り次第になってしまった。
桜が咲いて、夜、部屋の一つしかない窓を開けてお酒を飲む。
寂しさを紛らわすため、東京に来たというのに高知や箱根、金沢、京都とたくさんの出張を入れた。
そこから仕事で一緒になる人たちとも交流が始まり、一年が経ちやっと東京に慣れてきた。
今の仕事をしている以上は東京に住むのだろうなと感じる。
あと、東京は有名人が多いな〜とも。当たり前か。
私は東京という街が好きだし、これからも住み続けたいと思う。
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