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Design,AI,UX

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UXとAIとデザインについて書きます。
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#AI

多次元的UXについて | AI時代のUXのコンセプト

今日は次世代のUXないしAI時代のサービスのキーワードとして「多次元的UX」あるいは「UXの多次元化」というコンセプトがあるのではないか、というお話です。 初めに伝えておくと、今日の話は私の中でもまだ模索中であり、すんなりと理解できる文章に落とし込めたとは言えません。 そして同時にこれらは新しいコンセプトではなく、すでに世界に存在しているコンセプトとも言えます。そこに自分が名前をつけたものとなります。 この多次元UXはAIと親和性が高く、おそらくこれからの時代のスタンダー

「UXリサーチのAI化」について考える

近年、人工知能(AI)技術の飛躍的な進歩により、多くの分野でAIの活用が進んでいます。特に、UX(ユーザーエクスペリエンス)リサーチの領域でも、AIを用いた新たな手法が注目を集めています。 しかし、この動きに対して業界内では大きな反発も見られます。一部の専門家は「UXリサーチは生身の人間との対話が不可欠であり、AIでは代替できない」と主張しています。 しかしながら、私は現在世の中で行われている"UXリサーチ"は完全にAIで代替が可能になると考えています。それがいつ実現する

"問い"を立てる力は「プロンプト」よりずっと大事 | "問いの誤謬"を防ぐには

昨今AIの使い方で1番注目されることといえば、もっぱらプロンプトエンジニアリングだと思っています。 (APIとかRAGとかは一部のAIオタクが使っていれば良い) さて、みんな「どのようにプロンプトを書けばいいか」に躍起になっていますが、実はその視点でAIに取り組んでも成功することはあまりありません。 なぜかというと、AIへの指示においてプロンプトは最後の言葉作りにすぎず、本当はそれより前にもっと大事なことがあるにも関わらず、(おそらく)多くの人はそれを見過ごしているからです

AIの回答の「どことない気持ち悪さ」に関する走り書き

しばらく前から、「どのようにUXリサーチをAI化することができるか」について考えているのです、現時点で自分の中で得られた洞察を一旦まとめました。(誰得まとめ?) AIの思考プロセスの人間との違い、AIの身体性の無さについて書いています。 1.思考プロセスから考えるAIの回答の違和感まず最初は思考プロセスの違いです。人間は樹木のように回答が構成され、AIは面で回答が出力されるイメージです 1-1.人間の思考プロセス:樹木構造 私は、人間の思考プロセスを「樹木構造」として解

"意味"だけが重要になる | AI時代のUXとmoatを考える

はじめにAI(人工知能)の急速な発展は、私たちのビジネスや日常生活に大きな変革をもたらしています。この変化の中で、UX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性が一層高まっていると多くの人が感じているでしょう。しかし、AIの進化は単にプロセスの効率化にとどまらず、ビジネスの本質的な在り方そのものを根本から変えつつあります。 この変革の波は、私たちデザイナーが慣れ親しんだ「サービス/プロダクトのUX」といった議論の枠をはるかに超え、より大きなスケールでの思考を私たちに要求しています

文章とは「切り口」である/なぜAIに書かせたブログがしっくりこないのか

はい。最近AIの話だらけですね。そろそろアートの話もしないとなと思っている日頃です。でも今日もまたAIの話です。 さて、皆さんは文章を書く際にAIを使ってますか? 最近自分は7~8割ぐらいをAIに委ねています。当然自分で書いている部分もありますが、AI化でどんどん楽になっています。 AIを使えば効率的に文章を生成できるため、今後多くの人がAIでブログを書いていくでしょう。 しかしながらいざ実際書いた人は、AIでブログを書くのは難しいと感じているのではないでしょうか? 例えば

ありとあらゆるこの世の全ての仕事をAIにやらせるにはどうしたら良いのか?

ありとあらゆるこの世の全ての仕事をAIにやらせて楽したいですよね。 今回の問いは下の2つです AIにやらせられる-やらせられない仕事は何によって決まるのか? (単なるプログラミングが得意-なんとかが苦手のようなタスクベースではなく、もっと抽象論として) やらせられる-やらせられないの差が分かれば、意識的にそのギャップを埋め、AIの機能を拡張していくことでができるのではないか? サマリー(長いので) 本編-なぜAIに任せられるタスクに限界が生じるのかそもそもなぜAIに

なぜ「AIでUIデザインできる!」と言うとデザイナーに怒られるのか / 非デザイナーのためのUX×AI

昨日、元木さん(https://x.com/ai_syacho)の生成AI塾 でUXについて講義をしました。ご参加いただいた方はありがとうございます。 この講座などを通じて、私はUX界隈が思っている以上にみんなはUXの事を知らず、かといってUX界隈はUX界隈で開かれたコンテンツはあまりもっていないことを改めて認識しました。 ところで昨今のUXとAIの議論の一つに「UIはAIでデザインできるのか?」というものがあり、UX界隈-非UX界隈で見解が異なるように思っています。

深津さんのプロンプト記法「LLMermaid」に誰も触れてないので解説する

LLMermaidとはChatGPTなどに指示を出すときに使えるプロンプト記法で、昨年12月ごろ深津さんが公開した「AIをマルチタスクエージェント化する記法」です。 深津さんといえば深津式プロンプトで有名ですが、LLMermaidはそれよりパワフルな記法であると私は感じています。 自分はたまたまこれを深津さんに教えていただく機会があったのですが、その際にとても衝撃を受けました。 しかしながら公開されてから3,4ヶ月がたった今でも話をしている人が全くおらず、日本語の記事も見つ

私が、「みんなのAGIの実現に対する予測は、楽観的すぎる」と思っているワケ

今回は「すごいAIが実現すると世界はどうなるか」について。 自分の予測メモ書き的なところがありますが、興味あれば読んでください。 わたしの見立てだと、「AGIの実現は、みんなが思っている以上に社会に悪い影響がある」と考えています。 人間より賢いAGIの実現によって何が起きるか、そしてAGIを実現した勝者は、その後どうなるか。 なお、人間より賢いAGIのことを、超知能とか呼びます。 みなさん、自分たちはAIを使う側になれる、って誤解していませんか? AGIについてAI触って

AIを使うために必要な基礎力と、具体的な「AI使いこなし人材の研修・教育」について考える。

2024年になりました。みなさんAI触ってますか。 私は昨年書いたAI記事が結構ウケているので、改めてAI系の発信は需要があると思って味をしめています。社内でもAI使い方勉強会をやってだいぶ評判が良かったりするので、嬉しい限りです。 AIを触るための4つの基礎力 本日はAIへの指示方法ではなくその前段となる「そもそもAIを使うために必要な基礎力は何か?」を掘り下げて行こうと思います。 以前から「AI人材」という言葉は使われていましたが、どちらかといえば機械学習や深層学習、

まだAIのことを「単なる業務効率化」としか思ってない段階のPM/ディレクターは、今すぐAIを触った方がいい

PMとディレクターのみなさん、AI触ってますか。 こないだの記事で書ききれなかったのことを補足として書きます。 たまには仕事の話です。 最近の悩みは、「AIがやばい…」という温度感を共有できるPMやディレクターが周りに全然いないことです。 これは本当に最近の一番大きな悩みの一つです。 もし同じような温度感の人がいたら是非お声がけください。 なので今日は「PMとディレクターなのにAI触ってない人は、今すぐ触って欲しい」という話をします。 大前提として本記事はPMやディレク