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ウフィツィ美術館の天井画、認められなかったカップルの紋章

Ciao! フィレンツェのチヅです!
これから、『サロン・ド・わおん』のイベントに関連した投稿シリーズになります!(2022年4月23日開催。ありがとうございました!)

本とアートが織りなす世界、関連した作品や場所をガイドでなければ知り得ない視点からお届け!
イベントではお伝えしきれないここだけの話もあります😊

フィレンツェのテーマ本は、、、
●原田マハ『風神雷神 Juppiter,Aeolus 上・下 』(PHP研究所)
 織田信長の命を受け、ヴァチカンを目指す天正遣欧少年使節。その一行とともに俵屋宗達が海を渡っていたとしたら…。少年絵師 宗達は、ヨーロッパに渡り各地を旅しながらルネサンスを体験し、イタリアで後にバロックの巨匠となる少年と出会います。「風神雷神図屏風」をめぐる壮大な物語。

本当にその時代、その場所を旅しているようなリアリティを感じられる本で、
史実としても実際に天正遣欧少年使節が謁見したのは、時のトスカーナ大公フランチェスコ1世と記録が残っています。
"その頃"の妻はビアンカ・カッペッロ。本でもとても美しいと描写されます。
でも、実はビアンカは、メディチ家の他メンバーからは総スカンを食ってしまった女性です。
ビアンカはヴェネツィアの名門貴族カッペッロ家の娘なのですが、若い頃にフィレンツェのこれまた名門貴族の若者と駆け落ち婚をします。
ところが、この若者、実は平銀行員の息子でした、、😅

ビアンカの身にもなってみたら騙された感半端なかったと想像しますが、、
そんな中、サン・マルコ広場に面したこぢんまりとした夫の家の窓から外を眺めていると、ぴたっと目が合った人、それがフランチェスコ!
ソウルメイトが出会ってしまった瞬間!?😆

一方のフランチェスコ1世はトスカーナ大公子(当時)という身分ですので、もちろん相手はそれに相応しい神聖ローマ帝国皇帝の娘ジョヴァンナ・ダウストリアと結婚。

詳細はまた別の機会に話すかもしれませんが、ジョヴァンナさんが亡くなった後、ここぞとばかりに早速再婚をしたのがこのカップル、フランチェスコ&ビアンカです。

そのお二人の紋章が揃って描かれている場所があります。


それが、写真のウフィツィ美術館内、第一廊下最後のかどっこの天井画です。
カッペッロとはイタリア語で「帽子」なので、それがそのまま紋章となっています。赤白青の三色の地の上に白い帽子があるのがそれです。
フランチェスコの方は、この時代メディチ家の紋章の形式として固定されている6つの玉のマークです。

そして、物語には出てきいませんが、フランチェスコとビアンカは毒殺ともマラリアとも説がありますが(マラリア説有力)二人ほぼ同時に亡くなるという運命です。

ウフィツィ美術館 第一廊下




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