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永遠のソール・ライター

今日はニューヨークの写真家ソール・ライターのお話。

私がソール・ライターを知ったのは、昨年Bunkamura museumで開催された写真展を観に行った時のこと。彼の作品を観るのが目的というよりは、Bunkamura museumが好きなのでたまたま足を運んだら彼の展覧会だったと言った方がしっくりくるかもしれません。

それまで名前も知らなかった彼の作品は、鑑賞していくうちにじわじわと心に沁みて、観終わる頃にはすっかり虜になっていました。何と言っても、その特徴的なアングルと色使い。彼の作品の多くは、窓越しの何気ない街の風景が撮られています。ガラス一枚挟むことによって雨や光が美しく強調され、また風景の遠近感が増すことによって、あちら側には何が起こっているのだろうという想像力を掻き立てられるのです。

ソール・ライターは1923年ペンシルバニア州パーツパークに生まれます。父は厳格なユダヤ教のラビ。彼もラビの養成学校に通いますが、昔から絵画に興味があったこともあり大学を中退してニューヨークに向かいます。そこで出会った画家に写真を勧められ写真を撮り始めるのですが、その頃カラーフイルムは耐久性、保存性が不安定な為モノクロフイルムが主流でした。しかしながら、彼は当初からカラーフイルムを使用しています。元々画家でもありますから色には拘りがあったのかもしれません。

その後、長い間ファッション雑誌で活躍した彼ですが、突然スタジオを閉鎖し隠遁生活を送りつつ、ニューヨークの街並みを撮り続けます。成功を追求するアメリカンドリームには興味はなく、何も起こらない日々に傾倒していく彼のことを、友人は「君はチャンスを避ける才能に恵まれている」と言ったそうです。

彼の作品には、帽子・傘・車等特定の「対象」にフォーカスした写真が数多くあります。例えば雨の日のピンクの傘、雪の日のオレンジの傘。背景が落ち着いた色にも関わらず、対象となるものの色はとても鮮やかなのが印象的です。そして、ファッション雑誌に長く関わっていたからなのか、彼の撮影する女性達もファッショナブルでとても魅力的。

余談ですが、彼は浮世絵なども好きだったそうです。鮮やかな色使いに何となく共通点があるような。

展覧会は2月13日から 美術館「えき」KYOTOで 開催予定です。
ご興味ある方は是非。

映画もあるよ。3月5日~11日 京都シネマにて上映予定
https://m.youtube.com/watch?v=aAuE5Gz9D9A

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