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ダウン症の2人の中学生がアートで表現を楽しむ時間
<ことしおアート>
3月からコロナの影響で、開催できなくなり
動画配信やオンラインで、制作を続けてきました。
でも、オンラインでは本人たちがいまいち没頭しきれない。
すぐに疲れてしまうようで、早々に終わりにしていました。
私も声掛けのタイミングが計れなかったり、
ちょっとした提案をするにも、言葉で伝えきれなかったり。
む~~ん・・・感が残っていました。

対面でのアートが復活

ちょうどその頃
中2になったKちゃんは、混ぜたり感触を楽しんだり
遊びながら表現することから
少し大人っぽく、表現が変わってきていました。
2人の表現の違いも広がってきていたので
それぞれの表現を見つけていこう。とお母さんたちと話し
別々の場で、アートをしてくことにしました。
そしてついに、それぞれの場で、対面でのアートが復活しました!
特に感染症に弱いSちゃんとは、8か月ぶりの対面です。

リアル対面での制作

SちゃんもKちゃんも、リアルの場で生み出される作品は、迫力が違いました。
素材の違いもあるのかもしれないけれど(絵の具が使える)
制作中の本人たちが、楽しそう!
歌いながら踊りながら、ケラケラ笑いながら、心地よさそうに色や形を生み出していきます。

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「波が伝わるように、それを感じている」

オンラインとリアルでのアートを、やってみて気づいたのは
特に、言葉でのやり取りをあまりしないSちゃんは
圧倒的に言語より、感覚でその場をとらえている。
そこにいる人の、心の動きや、絵の具のにおい、音楽、空気、等々。
感じるすべてが融合して、その時の自分を表出しているのだ。
お母さんいわく
「波が伝わるように、それを感じている」

オンラインでは二次元的な画面と、音声があるけれど
その内容はそれほど意味を持たず
そこにあるのは、おかあさんと二人のいつもの空間。
目の前にある画材は、ただのモノに近いのかもしれない。
(そういえば初回の動画配信の時は、画材をお母さんに投げていたなあ)

昨日のSちゃんは、心地よい音楽と、
お母さんと私の「好きにやっていいよ」という気持ちとか
時々「わ~すごい画面になってきた✨」という心の動きとか、の中で
心地よさそうに色を選び、筆を動かし、画面に起きる変化を楽しんでいたのでした。

ああ、そういう「場」を作ることができていたんだ。私がそこにいる意味もあるんだ。
と、この仕事の素晴らしさをかみしめ、心から楽しいなあと思ったのでした。



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