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UNIQLO PARKの意味

今日は少し足を伸ばして神奈川県金沢区のUNIQLO PARKへ。

建築の意味を考えさせられたので、記したいと思う。


1)UNIQLO PARKって?

UNIQLO PARKは、現在大阪万博も手がけている藤本壮介建築設計事務所の藤本壮介さんがコンセプトメイキングとデザイン監修を担当し、2020年4月にオープンした店舗だ。

三井アウトレットパーク横浜ベイサイドの敷地内に隣接して位置している。

「ユニクロとジーユーの合同店でありながら、公園でもある店舗」というテーマの通り、3階建ての店舗自体の屋根部分が階段と滑り台になっており、子どもも大人も階段を登り、滑り台で降りるという遊び場を提供している。


2)建築的仕掛け

私は3歳になる息子と一緒に遊んだが、子どもは嬉しそうに階段を登り、ボルダリングスペースも登り、滑り台で降りる、を繰り返し遊んでいた。

階段と滑り台で構成された外部空間はシンプルでありながら、随所に遊び心や建築的配慮が施されていた。

まずは、滑り台•ボルダリングスペースの絶妙な構成だ。
幅や角度が微妙に異なるように作られており、体験が単調にならないように工夫されている。
登り方も、階段、ボルダリング、ホーンを鳴らしながら登るウォールなど多様だ。

階段の途中がベンチになっているスペースもあり、遊びつつ、休みつつ、店舗にも入れる、というなんとも楽しいスペースだ。

屋上にはロープ式のジャングルジムがあり、真ん中にはトランポリンスペースがあり子どもたちが楽しそうに飛び跳ねていた。
※うちの子はまだ怖かったようで上には上がらずだった。


3)UNIQLO PARKの意味

この建築をユニクロが手がけた意味について考察したい。
我々建築業界に携わる人間は、「建築とは何か?」という問いを一度はしたことがあるのではないかと思う。

人が生活をする上でなくてはならないものでありながら、空き家問題、産廃問題、景観問題など、社会課題とも密接に関わっている業界である。

UNIQLO PARKはそんな建築業界にあって、企業としての利益を当然求めながら、「建物自体を遊び場にする」という新たな価値を店舗に付加した。
そこには、企業が社会に対してどう貢献できるか、何を仕掛けられるか、という挑戦が隠れていると思う。

その挑戦が純粋に素晴らしいと思うし、
何より、その建築があることで笑顔になっている子どもたちが沢山いる。
そんな場所を一企業が提供している事の社会的意味はとても大きいと思う。

自身も、人に、社会に喜んでもらえる仕事がしたい。
あらためてそう思わせてもらった。

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