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30arts|東京タロット美術館(浅草橋)

2021年11月にオープンした東京タロット美術館に行ってきました!

いわゆる美術館というよりは、タロットやトランプを輸入販売しているニチユー株式会社のショールームといった趣ですが、そこにはめくるめくカードの世界が待っていました。

奥の開いているドアが入口

ご利用案内

事前にウェブサイトにて、日時と人数を指定して予約をします。滞在時間は1グループにつき90分、館内での支払いはキャッシュレスのみと、感染症対策として混雑と接触を回避できるよう配慮されています。
マンションっぽいビルの一室にあるのですが、迷いました……。右往左往した末、東京国際ビジネスカレッジという専門学校の2件左にあるのを見つけました。
迷子になる自信のある方は、時間に余裕を持って向かうことをお勧めします!

靴を脱いでスリッパに履き替え受付を済ませると、見取り図やパンフレット、大アルカナと呼ばれる78枚組のタロット・カードの中でもメインとなる22枚の意味を解説したものを渡されます。
「吊るされた男」「塔」などは、映画やドラマなどで不吉な予感を示すモチーフとして登場することも多いのではないでしょうか?
傑作『ザ☆ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!』でも、タロット・カードが重要な小道具として登場します。

タロットカードの1枚引き

受付では入館記念として、複数のタロットが入った箱からカードを1枚を引いて、本日の運勢を占うことができます!

タロットは占いたいことを思い浮かべながらカードを切り、カードに描かれた寓意画や意味を手がかりに、メッセージを読みときます。上下が正しい位置なら「正位置」、逆の場合は「逆位置」といい、同じカードでも位置によって意味が異なります。今回は正位置で読み解いてください、とのこと。

引いたカードはお持ち帰りできます。

私が引いたのは「皇帝」のカード。威厳や包容力を感じさせますね。
正位置では、権力を握る、責任感・リーダー、父性、実行力を意味します。リーダーシップを発揮する一日ということでしょうか?

通常「皇帝」のカードには、王冠と笏を身につけて玉座に座る男性の絵が描かれていますが、このカードには、顔のついた大樹に白い服を着た人物たちが集っています。
1枚引きカードには数種類のデッキ(セット)が混ざっていて、これは絵本作家のまつむらまさこさんが手がけた「majoの森のタロットカード」の1枚です。
必ずしも寓意画に沿った絵柄でなくともいいようで、表現の幅が広がりますね。

企画展

企画展エリアはショーケース2台とその周囲の壁面のみですが、写真撮影スポットにも額装されたカードやパッケージが飾られ、展示販売エリア(下図の緑の部分)も含めて鑑賞エリアとなっています。

館内見取り図

開館記念の企画展【ユリイカ特集】では、『ユリイカ 12月臨時増刊号 総特集タロットの世界 鏡リュウジ責任編集』(2021年11月に発刊)に寄稿した心理占星術研究家の鏡リュウジさん、古典タロット愛好家の夢然堂さんが所有するタロットコレクションが展示されていました。

夢然堂さんのタロットは、中世ヨーロッパの写本やトランプのJKQ+ジョーカーを想起させる、古典的な絵柄でした。カードに描かれるのは寓意画ですから、宗教的な図像に似ているのも自然な気がします。
鏡さんは、パフォーマンス・アーティストをモデルにタロットの絵柄になぞらえて撮影した写真のタロット、水木しげるの絵を使用した妖怪のタロットを出品されていました。
恵比寿映像祭多摩美術大学のトークイベントに参加されるなど、アート方面にも造形のある方のようです。にしても、エッジの効いたご趣味をしていらっしゃる。

他にも展示・販売されているカードは、実にさまざま!
夢然堂さんのようなクラシックなものから、古代エジプト風のもの、おとぎ話や日本神話をモチーフにしたもの、イヌネコや小鳥といった動物イラスト、アート系やサブカルチャー系、大人向けのセクシーなものまで、ありとあらゆる絵柄が揃っています。お値段も、安いものは3000円台から、高いものでは1万円を越すものもありました。
実用から観賞用、ディープなファンからライトなファンまで、タロット人気の裾野の広さがうかがえます。

タロットだけでなく、トランプやフランス生まれのルノルマンカード、易占いカード、カードを収納する巾着や占うときに敷くクロス、関連書籍なども取り扱っています。カードの絵柄を見たり、書籍を読んでみるだけでも、タロット・カードの世界を堪能できるでしょう。

初めてのセルフリーディング

フリースペースでは出されたお茶を飲みながら、来場者自身がカードを使ってタロット占いができます!
占いサイトやファッション誌のウェブサイトなどで経験はありますが、実際にカードを目の前にして占うのは初めてで、来館前からワクワクしていました。

受付横にサンプルカードが数種類あり(手塚治虫のカードも!)、持ち出し用の書籍を見ながら、自分でカードを混ぜたり並べたりします。占う内容によって並べ方(スプレッド)や引く枚数が異なるのですが、ひとまず簡単そうな1枚だけ引くお題「仕事がうまくいくか」などで占ってみました。
解釈が合っているのか自信はなくても、なんとなく「できた!こんな結果が出た!」というだけで楽しくなりました。

自分が扱いやすい大きさか、混ぜたり切ったりしやすい素材か。箱に入ったままでは使用感がわからないので、商品選びの参考にもなりますね。

気軽にタロット体験を

館内には初心者向けの書籍もありますし、スタッフさんも丁寧に対応してくださるので、タロットに詳しくない私でも楽しめる安心感がありました。

プロの占い師さんに占ってもらうとなると、気持ちのハードルもありますし、料金も少なからずかかります。東京タロット美術館では、500円(2022年6月6日より800円)で多彩で美しいパッケージやカードを鑑賞しながら自分で占うことができ、気軽にタロットを楽しむには絶好の機会だと思いました。

お一人で、友人同士やカップルで、のんびり占い体験してみてはいかがでしょうか。

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートでミュージアムに行きまくります!