画家の話らしい映画。
2015年公開の映画「ビッグ・アイズ」をいまさらですが見ました。
クリストフ・ヴァルツさん、演技がうまい!
主人公2人が画家なので、いまの感想を(どこに関心を寄せて何を考えたのか)書いておきます。
10代のころなら、マーガレットに心を寄せて、あの絵を描いたのは自分だって言えて良かったねとか、20代なら時勢ゆえに女性が描いただけで評価が下がる云々とか言いそう。それからしつこく暗い子供を描くのは自身のトラウマがあって、喪失体験や耳が聞こえなくなったゆえの抑圧や影やらとか妄想を繰り広げそうだけど、いまの関心はウォルター。
ひたすらウォルターにつっこみを入れる。
面白いよ、ウォルター。画家になりたいとか言っているのに、スケッチ1枚すら描いてないよ!!パリの風景を描いた売れない画家は健在?サインを上書きするのに、合った画材を使っていないところが抜けていて可愛い。
画廊に、あからさまに方向性が違うのにもかかわらずパリの風景画を何度も持ち込み、どこ狙ってるの?コント?コントなの?
あとウォルターは販売力と宣伝力があるから正直マーガレットの絵じゃなくても売れただろう。でもマーガレットだから御しやすかったんだろうな。
いまの時代ならゴーストライター的なアレ(ちゃんと対価を払う)とか制作会社的なアレ(漫画家やアニメみたいなの)とか、炎上商法的なアレ(これはやっていたな)で全然問題なく稼げただろうにな。画廊だけやっていも食べていけそうな商才。
テレピン油の匂いもしていなさそうだし、描く時間もとれていなさそうだしきっと周りにバレバレだったに違いない。あーこの絵、他の人が描いたんだろうな~って。道具もあんまり知らなさそうだし。
それから基本的な技術的部分はやりこみゲーなので、それすらやっていなさそうなウォルターがひたすら面白かった。
弁護士を雇わず自己弁護で自滅とか、可愛い。アホやん。画家より俳優が合っているよね。俳優じゃダメだったのかな。どうしても画家が良かったのかな。
画家のパトロンをするとか画商でまわりのみんなをしあわせにするとか、色々選択肢はあったと思うけど、もったいないことをしましたね。
マーガレットに関してもとりあえず妻のサインを暗号的に入れておいて、描いた証拠も残しておいて、ひらかれた時代(むしろウォルターが開拓して)になったら「実はマーガレットが描いてました。すごいでしょ!!」と多角的に展開させていったら、どうなっていたかな。
ハッピーな未来しか思い浮かばない。