ナンキンハゼや銀杏、ケヤキなどが少し色鮮やかになってきて、暖かい中にも秋の気配を感じます。
気持ちの良い青空が広がり、染め日和。
予科の授業前、清凉寺で待ち合わせてドングリ拾いをしました。
鈴なりの樫の木の下で拾っていると、あちこちからドングリの降る音がします。夢中で拾った大小さまざまなドングリからどんな色が出るのかと、教室で早速炊き出しました。
「親子染め」なんて言いながら、ドングリのなる白樫の枝葉も炊き出して、
隣り合わせで見比べながら染めてみます。親の白樫より少ししっかりとした子のドングリの色。親子と思うと、色を見ながら出てくる言葉も自然と親子関係をなぞらえて笑いが広がります。
この日は他にも、たわわに黄色の花をつけた背高泡立ち草や、ぷっくりとターコイズに熟れたクサギを染めて、この時期ならではの秋の色祭りになりました。
媒染という鉱物との相性で引き出される、植物の秘めた鮮やかな色や深みのある色。媒染をせずともそのままが美しいクサギの空色。
染めるたび、その植物の今この時の色をしっかり引き出して受け止めたいという気持ちで向き合います。心躍る色との出会いの先には、織りが待っています。
生徒たちは、手元に来てくれた色を生かしたい、どんな色と合わせようかと、嬉しそうにとりどりに染まったこの季節の色を眺めていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?