『炎夏』

君に殺されたいとか思う朝は
いつもより朝ご飯をよく噛みます
誰よりも健康的な夏の始まりに
生卵を飲みました
喉を押し広げるそれが
君だったら良かった
水は流れ、空は透けて、
回転木馬の真ん中に立ち止まっているのは辛くて、
私は逃げたのです
あと五分、あと五分を繰り返した
真夏の布団の中に浮かぶ蜃気楼の行く末に
何を見るというのでしょう
私は踊って、踊って、踊って、炎となるのです
アクアマリンの欠片がお気に入りのワンピースを汚す、暑くて、茹だる、怠くて、暑い夏
君は優しいから絶対にそんなことは言わないけれど
ボクは正義のヒーローさ!って
言って欲しかったんだ私は
殺して欲しかったんだ私は
君に殺されたいから頑張って生きているの

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