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とあるスポーツチームフロントによる回想録【獅子吼】vol.2 フロント会議

全く予期せぬスポーツの世界へと足を踏み入れてしまった私の最初の仕事は、既存の広告価値の把握からでした。
集客力・SNSでの発信力・知名度・リーグ自体のブランドなどなど、スポンサー営業をするにあたり、現有財産の確認からスタートしました。

正直に言いますが、ひどいものでした。
Twitterのフォロワーはほとんど触っていない私の個人アカウントの方が多いくらい。当然ファンの方のアカウントのほうがフォロワーが多いような状況。
ファンと言っても選手たちが学生時代に築いてきた関係で引き続き応援していただいているファンがいてくれるといった感じで、チームについているファンはほとんどいない。というかそもそも存在を知らないという状況でした。

私たちのチームは総合型のスポーツクラブでメイン種目がサッカーですでに長い時間をかけて地元に活動していました。
この点は大きなメリットで、サッカーチームのサポーターの皆さんが応援してくれるというのが本当にありがたい形でした。

バレーボールチームとしては、ほとんどスポンサー価値が無いと言っていよい状況でここからどう事業化・安定化していくか?という事が課題でした。

何から手をつけよう?と悩んでいたときに、フロント会議なるものの招集を受けました。
スポーツチームのフロント会議なるものは当然初めてで、チーム関係者のいわゆるフロントスタッフに会うのも初めての機会でした。
緊張したのを今でも覚えています。

【素人は僕ひとり】

バレーボールのスタッフは皆仕事をしていますので会議は夜に行われます。
初めて参加した会議も同様に夜でした。
現顧問である三重県バレーボール協会特別顧問 加藤氏(当時部長)を始め、副理事長の和田氏(現運営部長)、指導普及部長の山田氏(現総務部長)、国体チーム監督の亀田氏とバレーボール関係者がズラリと並ぶ中、「初めましてぇ〜」と腰を低く、恐る恐る着席したことを昨日のことのように覚えています。

この時の会議では、確かユニフォームの制作についての打ち合わせや、Vリーグ参入後の遠征計画などを打ち合わせしていました。
正直、なんのこっちゃ?という感じで、この日私は一言も発言しなかったような気がします。

【スタッフとの信頼関係】

恐らく、当時スタッフの皆さんはこの素人に何ができるのか?という感情を少なからず持っていたと思います。
当然でしょう。ルールもろくに知らない人間がいきなり今日から仲間です。となったわけですから。

私の会議での初めての発言は2回目の会議だったと思います。
まずTwitterなどの発信媒体をもっと活発にしなければ、スポンサー企業にお返しできるツールがありません。まずはシーズン中にフォロワー1000人にはしなければならない。

次に集客力。お客様が入らなければ、スポンサー企業は支援してくれない。集客のできるチームにしなければ、スポンサー獲得は難しい。幸いサッカーの培ってくれた知名度がヴィアティン三重にはある。この強みを生かしてバレーボールチーム独自のファン獲得を目指さなければならない。

そんな事を話したと思います。
当時はまだまだスポーツ界の事をわかっていませんでしたが、今でも発信力・集客力は非常に重要だという考えは変わっていませんね。
試合を見てくれる方がいなくては、チームの存在は本当に国体への強化だけになってしまいます。
誰かに必要とされるチームにならなければ、国体後には何も残らないチームになってしまう。当時からそう考えていました。

こうしたバレーボールの関係者の方々が、苦手としている部分の話を、資料を交えて話すことで「少し何か違うことをやってくれそうだな?」そんな印象をスタッフの皆さんに与えることができたと思います。

【開幕まであと半年】

スタッフ・選手たちと信頼関係を築かねばならない一方、時間は待ってはくれません。開幕まであと半年。
それまでにユニフォームにスポンサーネームを入れて制作しなければならないのです。とにかく時間が無い!!!
しかもvol.1で書いた通り、本業が忙しい忙しい。
カレンダーを見るたびに背中を冷たい汗が走りました。さて開幕までに間に合うのか・・・応援してくれる企業は現れるのか・・・

結果を先にお伝えするとこうなりました。

【着任前のユニフォーム】

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【開幕時のユニフォーム】

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vol.3ではスポンサー集めに奔走する半年を少し綴ってみたいと思います。

最後まで読んでいただけてありがとうございます。よければいいね!していただけるとvol.3が早く更新されます。笑