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#バンコマイシン

バンコマイシンの至適トラフ濃度域を得るための投与量は体型により変わるか?

バンコマイシンの至適トラフ濃度域を得るための投与量は体型により変わるか?

本記事は、医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、個人的に英文を翻訳しており、論文を読む時の解釈が個人の見解に基づいているため、誤っている可能性がありますし、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめに久しぶりの更新です。
また、バンコマイシンの投与と体型に関する話題です。
完全に趣味で過去の論文を調査しています(自分の書いて

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日本人 (成人)でのバンコマイシン母集団薬物動態に関して (PMID: 9558127)

日本人 (成人)でのバンコマイシン母集団薬物動態に関して (PMID: 9558127)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。
また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめにまたまた、自分の趣味でいまやっている研究の関連で、バンコマイシンの論文を読み漁っている最中です。

前回の記事に過去のバンコマイシンに関する記事のリンクを貼っているので参考にください(毎度毎度、縦に長く

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バンコマイシンの薬物動態は、患者群の年齢、性別、体格で影響があるか? (PMID: 7846752)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。
また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめに久しぶりの記事投稿です。

今回もまたもや性懲りもなくバンコマイシン (VCM)に関する論文を読みました。

これまでは、VCMのガイドラインの改訂の話や

体格 (主に肥満)で、VCMの薬物動態、投与

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バンコマイシンの投与設計を行う際にクレアチニンクリアランスの上限を設けることが適切な投与設計を行うことに役立つか?(PMID: 30051194)

バンコマイシンの投与設計を行う際にクレアチニンクリアランスの上限を設けることが適切な投与設計を行うことに役立つか?(PMID: 30051194)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめにどうも、数日ぶりです。

今回もまた相変わらずバンコマイシン (VCM)に関する論文を読みました。

こんなにVCMの論文を読み漁っているのは、VCMに関することで、何かを行おうと考えている最中なんです。

これまでは、VCMのガ

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バンコマイシンのトラフ濃度15-20μg/mLでの管理に対し、AUCガイドTDMは腎毒性を減少させるか? (PMID: 32721597)

バンコマイシンのトラフ濃度15-20μg/mLでの管理に対し、AUCガイドTDMは腎毒性を減少させるか? (PMID: 32721597)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめにどうも、数日ぶりです。

今回もまたバンコマイシンに関する論文を読みました。

バンコマイシン関連の論文、特に薬物動態関連の報告は、ここ10年来でかなり増えているようです。
下記の図は、PubMedでvancomycin+phar

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成人患者におけるバンコマイシンの血清トラフ濃度に及ぼす体格指数およびクレアチニンクリアランスの影響 (PMID: 32404057)

成人患者におけるバンコマイシンの血清トラフ濃度に及ぼす体格指数およびクレアチニンクリアランスの影響 (PMID: 32404057)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめに先日に引き続きの投稿です。

私の個人的趣味で、バンコマイシンの薬物動態に関して、体型で変わるのか?という点について、色々と文献を読み漁っているところです。

そのついでに投稿しているということをご承知いただき、是非記事を読んでい

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極度の肥満症例におけるバンコマイシンの薬物動態に関する検討 (Pharmacotherapy. 2015 Feb;35(2):127-39. doi: 10.1002/phar.1531. Epub 2015 Feb 3. PMID: 25644478.)

極度の肥満症例におけるバンコマイシンの薬物動態に関する検討 (Pharmacotherapy. 2015 Feb;35(2):127-39. doi: 10.1002/phar.1531. Epub 2015 Feb 3. PMID: 25644478.)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめに
久しぶりの投稿です。

2020年に入り、バンコマイシンのTDMに関するガイドライン(米国版)が改訂され、バンコマイシンの投与設計等に関して、今後、大きく変わりそうな気配です。これは、以前に記事にしていますので閲覧いただけると参

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個々の患者におけるバンコマイシンの到達を最適化するための革新的なアプローチ

先日、米国で公表された、VCMのTDMガイドラインの改訂に関する内容を記事にしたところです。

その記事は下記リンクをご参照ください(是非見てください)

2009年に公表された、トラフ値を指標とするガイドラインの歪みというか、問題点というか、そういったところを払拭するためのようなガイドラインの改訂でした。改訂では、トラフ値を代替指標としては使用せず、何らかの方法を用いて、AUCを算出して、AUC

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バンコマイシンのTDMガイドライン改訂版 (米国版)

2020年3月に公表 (パブリックコメントは昨年12月に募集)された米国病院薬剤師会などによるバンコマイシン (VCM)のTDMガイドラインの改訂版が、CIDにも掲載されています。

VCMのTDMを巡っては、2009年にガイドラインが米国で公表され、AUC/MICが臨床的効果の指標となるが、トラフ値を代替指標とするとし、目標濃度は10〜20 μg/mL (海外では10〜20 mg/Lと表記だが、

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