40代病院薬剤師

40代に突入した、病院薬剤師@管理職です。専門分野は感染関連、集中治療。感染関連、その…

40代病院薬剤師

40代に突入した、病院薬剤師@管理職です。専門分野は感染関連、集中治療。感染関連、その他に関して、気ままに書いていきます。お仕事の依頼はtwitterのDMからお願いします。 twitterアカウント:https://twitter.com/xxxichiroxxx041

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レカルブリオ®配合点滴静注用(レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム)は日本国内市場での出番はある?

本記事は、医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、個人的に英文を翻訳しており、論文を読む時の解釈が個人の見解に基づいているため、誤っている可能性がありますし、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめにだいぶ久しぶりの更新です。 先日、耐性グラム陰性菌用の薬剤が日本で承認されました。 その薬剤はタイトルにありますように、レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウムの合剤である、レカルブ

    • 小児患者に対するテジゾリド(シベクトロ)の使用はできるか?

      本記事は、医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、個人的に英文を翻訳しており、論文を読む時の解釈が個人の見解に基づいているため、誤っている可能性があります。また、私の所属している施設などとは一切関係がないこと、未承認用法用量の内容等を含んでいることを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに久しぶりの投稿です。 4月に入り異動先が前施設と比較し、小児患者を扱っている数が多く、イレギュラーな事案もありそうな雰囲気です。 タイトルのとおり、小児患者に

      • バンコマイシンの至適トラフ濃度域を得るための投与量は体型により変わるか?

        本記事は、医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、個人的に英文を翻訳しており、論文を読む時の解釈が個人の見解に基づいているため、誤っている可能性がありますし、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに久しぶりの更新です。 また、バンコマイシンの投与と体型に関する話題です。 完全に趣味で過去の論文を調査しています(自分の書いている論文に引用する用です)。 今回はJICに掲載されている、NOTEのカテゴリ

        • 多面的な臨床薬剤師の介入はハイリスク薬を処方された患者の安全性に寄与するか?

          久しぶりの更新です。 インプットの時間がなく、更新ができていないです。 今回は、少し、斜め読みをした論文の内容があまりにも衝撃だったので、要旨の内容をまとめました。 論文のタイトル等Gurwitz JH, Kapoor A, Garber L, Mazor KM, Wagner J, Cutrona SL, Singh S, Kanaan AO, Donovan JL, Crawford S, Anzuoni K, Konola TJ, Zhou Y, Field TS

        レカルブリオ®配合点滴静注用(レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム)は日本国内市場での出番はある?

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        • 医薬品関連
          6本
        • 感染症関連
          37本
        • 読んだ論文たち
          53本
        • 病院経営に対する薬剤師の業務
          1本
        • 管理職として知っておきたいこと
          2本
        • 日記
          1本

        記事

          病院薬剤師は病院経営に貢献できるのかを考える 〜その1〜

          本記事は、医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに薬剤部の管理者的な立場 (ナンバー2)になって1年以上が経過した。 2020年下半期に、病院薬剤師をテーマにしたドラマ (アンサングシンデレラ)が放送されていたが、本ドラマの放映により、薬剤師や病院薬剤師に興味を示す一般の方々も多くなったのではないか。 私自身、管理者的な立場になる以前は、病院薬剤師のプレイヤ

          病院薬剤師は病院経営に貢献できるのかを考える 〜その1〜

          デキサメタゾンの注射薬と内服薬の投与量換算は同等で良いか?

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。 また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに2020年は話題の感染症の件で、その治療が未確立な状態で過ぎ去っていますが、重症患者にエビデンスのある薬剤として、デキサメタゾンが注目されており、国内外の治療ガイダンスで、重症例には推奨をされています。 そんなデキサメタゾンについて、RECOVERY試験 [1]では6mg/kgの

          デキサメタゾンの注射薬と内服薬の投与量換算は同等で良いか?

          2020年のまとめ

          2020年よりnoteにて記事を書き始めましたが、読者のみなさまのおかげで70記事 (1本は記事公開後に非公開として現在公開中は69記事)を掲載しました。 私自身、趣味で読んだ論文の内容をまとめたりしていることが多かったと思います。 もともとnoteを始めたきっかけは、話題の感染症が流行している中で、エビデンスに基づかない内容がネット上にウヨウヨしていることに違和感があり、薬剤師目線で少しでも情報を見せていければと思い、始めました。 結果的に、途中から、自分の趣味の内容

          2020年のまとめ

          ようやく国内でCOVID-19の診療支援に薬剤師が関わっていることが報告されました

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。 また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに約1週間ぶりの投稿です。 COVID-19流行下における薬剤師の活動について、海外の事例を過去に記事として記載しておりました。 これまで、日本国内で薬剤師がCOVID-19流行下でどのような活動を行なっているかは、商業誌に少し記載している程度で、論文投稿はされていませんでした。

          ようやく国内でCOVID-19の診療支援に薬剤師が関わっていることが報告されました

          日本人 (成人)でのバンコマイシン母集団薬物動態に関して (PMID: 9558127)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。 また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめにまたまた、自分の趣味でいまやっている研究の関連で、バンコマイシンの論文を読み漁っている最中です。 前回の記事に過去のバンコマイシンに関する記事のリンクを貼っているので参考にください(毎度毎度、縦に長くなるので省略します) 今回は、バンコマイシンの論文で日本では最も有名な (嘘か

          日本人 (成人)でのバンコマイシン母集団薬物動態に関して (PMID: 9558127)

          バンコマイシンの薬物動態は、患者群の年齢、性別、体格で影響があるか? (PMID: 7846752)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。 また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに久しぶりの記事投稿です。 今回もまたもや性懲りもなくバンコマイシン (VCM)に関する論文を読みました。 これまでは、VCMのガイドラインの改訂の話や 体格 (主に肥満)で、VCMの薬物動態、投与量、安全性が異なるかどうか?に関する内容や、 VCMのトラフ濃度15-20μg

          バンコマイシンの薬物動態は、患者群の年齢、性別、体格で影響があるか? (PMID: 7846752)

          バンコマイシンの投与設計を行う際にクレアチニンクリアランスの上限を設けることが適切な投与設計を行うことに役立つか?(PMID: 30051194)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめにどうも、数日ぶりです。 今回もまた相変わらずバンコマイシン (VCM)に関する論文を読みました。 こんなにVCMの論文を読み漁っているのは、VCMに関することで、何かを行おうと考えている最中なんです。 これまでは、VCMのガイドラインの改訂の話や 体格 (主に肥満)で、VCMの薬物動態、投与量、安全性

          バンコマイシンの投与設計を行う際にクレアチニンクリアランスの上限を設けることが適切な投与設計を行うことに役立つか?(PMID: 30051194)

          バンコマイシンのトラフ濃度15-20μg/mLでの管理に対し、AUCガイドTDMは腎毒性を減少させるか? (PMID: 32721597)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめにどうも、数日ぶりです。 今回もまたバンコマイシンに関する論文を読みました。 バンコマイシン関連の論文、特に薬物動態関連の報告は、ここ10年来でかなり増えているようです。 下記の図は、PubMedでvancomycin+pharmacokineticsで引いた際の論文の年度別ヒット数です。 バンコマイシン

          バンコマイシンのトラフ濃度15-20μg/mLでの管理に対し、AUCガイドTDMは腎毒性を減少させるか? (PMID: 32721597)

          成人患者におけるバンコマイシンの血清トラフ濃度に及ぼす体格指数およびクレアチニンクリアランスの影響 (PMID: 32404057)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに先日に引き続きの投稿です。 私の個人的趣味で、バンコマイシンの薬物動態に関して、体型で変わるのか?という点について、色々と文献を読み漁っているところです。 そのついでに投稿しているということをご承知いただき、是非記事を読んでいただければと思います。 バンコマイシンについては、2020年に米国感染症学会等

          成人患者におけるバンコマイシンの血清トラフ濃度に及ぼす体格指数およびクレアチニンクリアランスの影響 (PMID: 32404057)

          極度の肥満症例におけるバンコマイシンの薬物動態に関する検討 (Pharmacotherapy. 2015 Feb;35(2):127-39. doi: 10.1002/phar.1531. Epub 2015 Feb 3. PMID: 25644478.)

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに 久しぶりの投稿です。 2020年に入り、バンコマイシンのTDMに関するガイドライン(米国版)が改訂され、バンコマイシンの投与設計等に関して、今後、大きく変わりそうな気配です。これは、以前に記事にしていますので閲覧いただけると参考になるかもしれません。 そんな中、特殊な背景を有する患者群での投与というとこ

          極度の肥満症例におけるバンコマイシンの薬物動態に関する検討 (Pharmacotherapy. 2015 Feb;35(2):127-39. doi: 10.1002/phar.1531. Epub 2015 Feb 3. PMID: 25644478.)

          薬剤耐性グラム陰性菌感染症の治療ガイダンス (IDSA)を読み解いていく -CRE編 その5-

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに先日、IDSAから公表された、薬剤耐性グラム陰性菌感染症の治療ガイダンス[1]について、記事にしています。 この内容を少しずつ読み解いていくという内容で記事を書いています。 初回は、導入部分の抗菌薬に関するセクションについて、内容を読み解いていきました。 2-4回目は、ESBLについて記述されている部分

          薬剤耐性グラム陰性菌感染症の治療ガイダンス (IDSA)を読み解いていく -CRE編 その5-

          注射用高濃度カリウム製剤の安全使用に関して考える

          本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。 はじめに薬剤師は危険と隣り合わせの業務を行っていることはいうまでもない。 このうち、医療安全に関わる薬剤師の役割というのは非常に重要と考えられる。 医薬品のうち、ハイリスク薬については、日本病院薬剤師会が公表している、ハイリスク薬に関する業務ガイドライン[1]では下記のとおり定義されている 機関の規模・機能によっ

          注射用高濃度カリウム製剤の安全使用に関して考える