答え合わせ、のようなもの
これは人生の答え合わせなのかな?
そう思わざるを得ないことが、ここ数年、特にこの半年ほど続いている。
今日もまたそんな出来事があったのだ。
昨日に続き、今日もまた車の運転練習をかねドライブに出かけた。
行き先は家から北へ30分ほどのところにあるDentonだ。
日を追うごとに新緑が眩しさを増している。
途中のどかな牧場が広がるエリアを通過し、
「北海道の日高みたいな景色よね〜」
新しいエリアを目にする度につい日本のどこかに例えてしまう。
目指すDentonはどんな町だろう。
市街地に入ると美しい建物が目に入る。
そこがダウンタウンのようだ。
少々駐車するまでに苦慮したものの、車を停め周囲を散策することにした。
先ほどの美しい建物はデントン郡庁舎とのこと。
デントンには北テキサス大学などの州立大学2つを有する学術都市で、学生が街の人口の3分の1を占めるという。
ダウンタウンを散策
ここを訪れる人は観光客がほとんどなのだろう。
庁舎を取り囲む芝生では家族づれがキャッチボールをしたり、レジャーシートを敷きくつろいだりしている。
周囲にはにはレトロなレストランやバーが並び活気に満ちている。
路上ではバイオリンを弾く青年。
穏やかな時が流れている。
飲食店に並んでライブハウスがあり、のぞいてみると女性歌手がビートルズBlackbirdを歌っていた。
声量がすごい!一瞬でその雰囲気に引き込まれた。
店内は満員御礼。
客はシニアがほとんどであったが、みなとてもリラックスしていて、楽しそうに口ずさんだりステップを踏んだりしていた。
ほんの数分ではあったが、力強い歌声に魅了され、まるで魔法にでもかかったような余韻に浸る。
その後BLACK BIRDを口ずさんでしまったことは言うまでも無い。
続いて立ち寄った店はDentonグッツなど様々な雑貨が並び、見ているだけでも楽しい。
続いて入った店の入り口の一角にレコードとジャケットが飾ってあり、その一つに大好きなノラ・ジョーンズがあることに気がついた。
「あ!ノラ!ほらほら左上に!」
20年ほど前、当時私は彼女の歌声と可愛らしい横顔に心惹かれこのアルバムを買った。
日本で所有していた我が家の車のオーディオの一番先頭にダウンロードしていたこともあり、最新の曲を入れその曲が終わるたび、ループして先頭に戻るとノラがかかる。
そんなこともあって、このアルバムを何百回聞いたか知れない。
もともとそれほど洋楽を聞く方ではないため、このCDは私にとって特別な1枚であったと言っても過言ではない。
彼女はこの店に縁があるのだろうか、もしかしてこの店でライブをしたこともあるとか?
考えすぎかな、単に店主の好みなのかも知れないよね。
それでも馴染み深い彼女のジャケットとここで出会えたことがとても嬉しかった。
不思議な縁は繋がるもので
帰宅後改めてデントン、そしてノラについて調べてみた。
デントンは学術都市でもあり、大規模なジャズフェスティバル音楽の街でもあった。大きな街ではないが、おおらかかつ芸術的な雰囲気を感じたのはそう言うことだったのか。
そしてノラの経歴を調べてみて鳥肌がたった。
彼女は私と同じ歳、グレープバインで幼少期を過ごし、デントンにある北テキサス大学でジャズ・ピアノを専攻していた。
今私が住んでいるところは、グレープバイン湖のほとり。
何も知らずに15年以上彼女のアルバムを聴き、今、そのグレープバインに暮らす事となったのだ。
日本で10年以上乗っていた車の一番最初に収録していたノラの楽曲、そして私が恐る恐るハンドルを握りたどり着いた場所で再びノラに出会うなんて・・・
特にこのアルバムを最初に手に取ったのは人生の中でも陰鬱な気持ちに支配されることが多く、生きることにあまり前向きでなかった頃だ。
それでも多くの支えのもと、必死にもがいていたことを思い出す。
あれから15年以上経ち、今とても幸せな気持ちで毎日を生きている。
こんな日々をあの頃の自分が想像できただろうか。
でも、確実に言えるのはあの頃もがいた日々の答え合わせのように、この数年奇跡のような出会いや経験が続いているということだ。
これまでの人生で関わってくれた人、物、環境、経験、全てに感謝の気持ちが溢れてくる。
今こうしてこの記事を読んでくださっているあなたにも心から感謝を伝えたい。
本当にありがとうございます。
今日も素敵な一日になりますように。
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