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~読むアロマ~「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン

物語の世界観を香り(精油)で表現する「読むアロマ」。
「読むアロマ」は、思わず手に取ってしまう美しい装丁のように、イメージを香りでデザインしたもの。物語と、精油が持つ香りや働き、様々なエピソードをつなげて、オリジナルのアロマブレンドを作ります。

新旧、ジャンル問わず、好きな物語、気になる話をランダムにピックアップして、作った香りのご紹介です。



『センス・オブ・ワンダー』/レチェル・カーソン著/新潮文庫


レイチェル・カーソンの名前を知ったのは、もう20年以上も前のこと。
「沈黙の春」がひろく紹介され、興味をもって読んだみたけれど挫折。
そしてなぜか、「沈黙の春」と「センス・オブ・ワンダー」がごっちゃになっていて、今回読書会に参加するにあたり改めて読んでみてびっくり!

彼女が綴る世界はなんて生き生きとしてうつくしいのだろう。

センス・オブ・ワンダー。
神秘さや不思議さに目を見張る感性。


生涯、まさにセンス・オブ・ワンダーそのものの人であり続けたカーソンの目を通して観る自然は、驚きと美しさ、そして畏怖に満ちた世界。
それに触れていると、自分が握りしめているちっぽけな物差しをポイっと手放したくなります。

実際、カーソンの生い立ちをたどっていくと、大学でも職場でも、前例がなかったり、マイノリティーだったりする場所ばかりにいると言っても過言ではないほど。
さぞかし苦労が絶えなかったであろうと想像するのですが、小さなころから自然とともにいたカーソンにとっては、狭い人間社会のルールなんて、それこそちっぽけに見えていたのかも。

いわゆる「普通」とか「常識」に縛られることのない、自由で大きな視点は、科学者としても、ひとりの人間としても、自然から学んだカーソンの唯一無二の宝物だと思いました。


人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。(中略)

わたしはそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。
地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。
たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と生きていることへの新たなよろこびへ通ずる小道を見つけだすことができると信じます。

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン/新潮文庫


もし、だれかに「あなたのセンス・オブ・ワンダーの原点は?」と問われたら、大人になってから出会ったものではありますが、やはり精油が一番に思い浮かびます。

精油はまさに、地球が育む美しさと神秘のエッセンス。
この世界の不思議や驚きの扉を開いてくれたものです。


子供たちが「センス・オブ・ワンダー」の鮮度を維持するためには、この世界のよろこびや神秘などを一緒に分かち合ってくれる大人がそばに必要とカーソンは言っています。

わたしのセンス・オブ・ワンダーのガイドである香りに、その感性が消えてなくならないように、いつもともにあって欲しいとの願いを込めてブレンドを創りました。


<読むアロマ「センス・オブ・ワンダー」ブレンド>

・ブラックスプルース
・ラベンダー(WILD)
・メリッサ
・パイン
・フランキンセンス


ブラックスプルースは別名クロトウヒ。針葉から抽出される香りは森を思わせる深呼吸したくなる香り。メイン州にある別荘近くの森によせて。

ラベンダー(WILD)は標高1000メートル以上の山で収穫される野生種のラベンダー。自然の野に生きる力強さと、宇宙や神秘性とつながる第七チャクラに属する性質をあわせ持つ。

木漏れ日ような一筋の光を思わせるメリッサはシソ科の植物。
別名レモンバーム。穏やかに、そして確かな力で安心へと導いてくれる。

パインはパインニードル、スコッツパインとも呼ばれるマツ科の常緑高木。
そのまっすぐに天に伸びる幹は、自分という軸をつらぬくことを教えてくれる。そして、古くから人類にあらゆる恩恵を与えてくれる樹木。

そしてフランキンセンス。和名は乳香(にゅうこう)。東方の三賢者のエピソードにも登場する聖なる香り。心を鎮め集中させる働きは内観と俯瞰を促す。


「わたしたちが住んでいるこの世界のすばらしさを忘れないで」

カーソンが残してくれたメッセージを思い出させてくれる、そんな香りになりました。



今回参加した読書会はGallery Pictorさん主催のこちら。
アートと本をつなぐ活動を定期開催されていますのでぜひチェックしてみてください!


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#センスオブワンダー

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