「時間どろぼう」に狙われないように
最近、クリエイティブなものに触れると、
「これを仕上げるまでにどれくらいの時間とエネルギーをかけたのだろう」
ということを考えます。
先日観た舞台は、客席がとても近く、登場人物たちの流れるような動作で、場面展開が表現されていました。
あの形を作るまでどのくらいの試行錯誤があったのだろう。
それを思うと、「すごいなぁ」と胸がいっぱいになるのです。
鎌倉で聞いた落語も、お寺の宿坊で開催ということで、これまた至近距離だったのですが、立て板に水のごとく語られるのは「熱」そのもの。
笑って笑って元気になりました。
そしてまた、「すごいなぁ」が発動(笑)
いったいどれほどの稽古からこの語りはうまれたのだろう。
ギャラリーで見た絵もそうです。大小様々な色と形と。
聞けば、個展にあわせて1年ほど前から準備をしていくとか。
時間はあっても描けるとき、描けないときもあるのかな。
1点に集約された静かなエネルギーはとても綺麗でした。
そういったものに出会うと、「わ~!すごい!私もがんばろ!」ってなるんです。
すみません、なんかアホっぽっくって(笑)
とかく世間では、時間やお金をかけるなら、
「無駄にしたくない」
「損をしたくない」
「失敗したくない」
という意識をあおるような風潮がありますよね。
そのルールでいると、“時間どろぼう”に狙われるし、星の王子さまにあきれられるつまらない大人になるし、チェシャ猫の質問には永遠に答えられない。
今よく言われている「価値観の多様性」って、そういうちょっと前までは当たり前すぎて疑問すらもたなかったことに「ちょと待った!」って言う人が増えてきてることなのかも。
クリエイティブってその最前線で、「価値を何におくか」をまさに身をもって教えてくれてる気がします。
「自分にとって価値あるものは何?」
ひとりひとりが選び取っていく、そいう時代になったんですね。
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