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香りと彩りを呼び覚ましてくれる本

「透明な夜の香り」 著者 千早茜さん

どんな望みの香りも作り出すことができる孤高の調香師。
ただひとつの香りを求めて訪れる依頼者とそこで家事手伝いとして働く女性のはなし。

古い洋館とその周りに広がるハーブ園
採れたてのハーブやスパイスを使った料理の数々
手つくりのファブリック。おろらく「丁寧なくらし」に分類されそうな生活にもうっとりする。
よい匂いだけでなく、不快な臭いについても丁寧に描かれていた。
花やハーブがよい香りの奥に苦みや臭みを持っているように、どちらも含めてにおいなのだと思う。
しっとりとした湿度を抱えた静寂な世界観にハーブや香りが
色彩を添えていく。日常であって、非日常のようなこの世界から戻るのが惜しくなります。

匂いと結びつく記憶。その匂いに救われることもあるし、そこに執着して動けないこともある。 

あなたの記憶に残る香りは何ですか


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