見出し画像

【薬剤 監査支援システム】概要と役割、その選定ポイントとは?

<point> 薬剤 監査支援システム 3機種
「audit オーディット」「ATTELNO アテルノ」「Barrera バレラ」

【更新】2024/3/24

こんにちは!
アロマを暮らしの片隅に置く薬剤師 こと 元調剤薬局マネージャー ”あき” と申します。

現在、わたしは、病院含め6社の転職キャリアをもつ調剤薬局薬剤師です。
ここ数年は、マネージャー業務の傍ら、出向先の薬局業務をお手伝いすることが多く、今回は、その体験をもとに、処方薬を照合する ”薬剤監査支援システム” に興味のある方や、これから業務改善のため導入予定のマネージャー・経営者の方に向けて、筆を執りました。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです♬




”監査支援システム” 概要と導入状況


薬剤監査支援システムとは、薬剤師が処方されている薬の種類や数量に間違いがないか監査する際に識別業務の部分を担うシステムです。

主な機種は、コンテック製【audit オーディット】、タカゾノ製【ATTELNO アテルノ】、湯山製作所製【Barrera バレラ】の3つです。

これらのシステムの導入について、2020年、厚生労働省による「薬剤師の需給動向把握事業における調査結果概要」において、”13%” という結果が出ています。

この数字を見て、わたしが勤める薬局の8割くらいが導入されていたので、意外にまだ少ない…という印象でした。

どのメーカーのものを導入しているかは、薬局によって様々です。
8割~9割の薬局が、錠剤や散剤を1回分ずつ袋詰めする ”分包機” を調剤室内に設置していますが、そのメーカーに合わせて導入するところもあれば、コストまたは性能を重視するところもあります。
ちなみに、分包機のメーカーと合わせるメリットは、担当者の一元化くらいで、別のメーカーを選んでも支障はありません。


”監査支援システム” 使って感じる有益性


< 患者様の待ち時間短縮 >

2021年、薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会で公表された「処方箋1枚の処理時間」は ”12分41秒” 。
そのうち、処方箋の記載内容と準備した処方薬を照合する「処方監査」に”3分5秒” かかるとの結果が出ています。
この処方監査のうち、薬剤の照合と数量の確認を機械が行ってくれるため、わたしとしては1分程度は短縮できていると実感します。

< 取り違え防止・処方監査の精度アップ >

監査支援システムが薬剤の照合・計数を行うため、「薬剤の取り違え」「計数間違い」も防止することができます。
また、処方監査を担当する薬剤師の心理的負担も軽減され、処方箋内容自体の最終監査に集中できます。


1.調剤 監査支援システム
【audit オーディット】


ここでは、コンテック製【audit オーディット】を実際に使ってみた感想を記します。
製品の詳細については、上記リンクよりご覧ください!

< メリット >
・導入コストが他社製品と比べて安いです。
・照合結果が一定期間、画像とともに記録されます。
・1回に照合できる薬剤の種類に制限がなく、計量器に乗せられる分まで照合できます。

< デメリット >
・画像診断による照合のため、マスタの画像と一致しない場合にトレイ内の薬剤の向きを変えたりする必要があります。そのため、照合完了までに時間がかかることがあります。


2.薬剤 監査支援システム
【ATTELNO アテルノ】


ここでは、タカゾノ製【ATTELNO アテルノ】を実際に使ってみた感想を記します。
製品の詳細については、上記リンクよりご覧ください!

< メリット >
・幅365×奥行280×高さ438mm(最大傾斜時)と他社に比べ一番場所を取らず、コンパクト設計です。
・GS-1コードをバーコードリーダーに通して照合するタイプのため、処方薬を識別させるのに時間がかかりません。
・1回に照合できる薬剤の種類に制限がなく、計量器に乗せられる分まで照合できます。

< デメリット >
・照合結果は、基本的にジャーナル(紙媒体)で出力されます。カメラはついていますが、バーコードが読み取れなかったときのログでしか機能しません。(ただし、担当者と相談し、照合結果を一定期間残せるようにしている薬局様を目にしたことがあります。よって導入の際は相談してみると良いかもしれません。)


3.最終 監査支援システム【Barrera バレラ】


ここでは、湯山製作所製【Barrera バレラ】を実際に使ってみた感想を記します。
製品の詳細については、上記リンクの電子カタログよりご覧ください!

< メリット >
・GS-1コードをバーコードリーダーに通して照合するタイプです。そのため照合させるのに時間がかかりません。
・照合結果が一定期間、画像とともに記録されます。保存期間は、カスタマイズできます。

< デメリット >
・導入コストが他社製品と比べて高いです。
・1回に照合できる薬剤の種類は4種類までと制限あります。
・幅405×奥行260×高さ537mm(カメラユニット含む)と他社製品と比べて大きいため、場所の確保が必要です。


【薬剤 監査支援システム】まとめ


薬剤師の監査業務を支援する【薬剤 監査支援システム】。
導入すると、「患者様の待ち時間短縮」による顧客満足度アップ、「数量間違いや取り違え防止」による薬剤師の業務精度のアップが期待できます。

選定ポイントは、”コスト” と ”ログ” を取るなら【audit オーディット】、”コンパクト設計”と”照合時間の短さ” を取るなら【ATTELNO アテルノ】、”照合時間の短さ” と ”ログ” を取るなら【Barrera バレラ】です。

ちなみに、わたしがマネージャーを務めた薬局で導入したのは【Barrera バレラ】です。
薬局が ”薬剤 監査支援システム” を買ったわけ…、それは、患者様からの「待ち時間の長さ」に関する意見や「数量間違いではないか?」という訴えがなかなか減らなかったこと。
当時は、60代のスタッフが使いやすいと感じることが優先され、そのスタッフがどのシステムにするか選び、次に”ログ”を重視して最終決定に至りました。

わたし自身、どの薬局様でも、薬剤監査支援システムが導入されていることで、服薬指導に集中することができています。
導入が叶う薬局様には、ぜひ検討していただけたらと考えます。
その際には、必ずデモ機で数日間、使用感を確認することをお勧めします。
高い買い物になりますので、検討の際には時間をかけていただいた方が良いと考えます。

それでは、ひとりでも多くの薬剤師が監査支援システムのちからを借りて安心して業務に専念できる環境が整うことを願いまして…
この度も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!


\プレイングマネージャーの味方本/

プレイングマネージャー必須スキル 部下が勝手に活躍する魔法の質問
育成する原理・視点・行動がわかる

「モチベーションが高く、自発的に動く人材」を育てたい方にオススメです。
もし、スタッフ育成にお悩みでご興味ある方は下記リンクよりチェックしてみてください!

\プレイングマネージャーの振り返りnote/


今回のテーマとは異なりますが、わたしは、アロマ関連のInstagramも運営しています。香りに興味がある方や、疲れの緩和・癒しを香りに求めてみるかな…と思い始めた方は、ぜひご覧ください♬

\タップして【Instagram】へ!/




この記事が参加している募集

#振り返りnote

84,890件

#この経験に学べ

54,146件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?