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境界なき香りの世界


医院の扉が開いた瞬間、
「あ。あの方だ。」



数年前まで通院されていた、
1人の女性。



彼女は、いつもきちんと化粧をし、
香水をつけていました。



気になって聞いてみたことがあります。



「〇〇さん。どこの香水つけてるの?」



すると、彼女は言いました。



「私、ゲランの香水しかつけないの。」



聞くところによると、百貨店では必ず
担当の方がそばについてくれるとか…。



彼女は、80歳を過ぎていました。

病院に香水なんて…という意見も当然あると
思いますが、私はいくつになっても女性であることを忘れない姿勢は素晴らしいと感じました。

年齢なんてただの数字だ、と言われますが、
まさにその通り!


お化粧やネイルをされる方は多いですが、
香りを纏う方はそういません。



もう、手押し車を押す姿さえカッコいい!



彼女の顔も、香りも、
私の胸の中では生きています。



彼女のおかげで、いつまでも女性らしく
あり続けることの素晴らしさを教わりました。



“私も彼女のように、
いつまでも香りを身につけていよう。”



あらためて、強くそう思います。

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