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【靴屋の小話】やってみると簡単、ベロア(起毛革)のケア


こんにちは、blueoverチームのzuccoです。

今日は革のメンテナンスについて。
前にスムース革について、ズボラなケアの仕方を書きました。

blueoverでも馴染みのあるベロア(起毛革)のケアに絞って書きます。

ベロアを使った定番モデル:mikey

ベロアのメンテナンス


ベロアのメンテナンスは難しくはありません。
スムース革よりも簡単。ズボラな私にもピッタリな素材です。

用意するもの

手前右側から

①ワイヤーブラシ
ホコリや汚れを落としたり、起毛革の毛並みを調整する。

②マスキングテープ
補色のときにソールに色が移るのを防ぐ。

③消しゴム
起毛革用のラバークリーナー。目立った汚れに使う。

後方左側から

④補色剤
スエードカラーリキッドを使用。
スプレータイプもある。靴の色に近い補色剤を選ぼう。

⑤スエード用保革スプレー
栄養を与えてくれるもの。起毛革も革なのでスムース革と同じく保革しよう。

⑥防水スプレー
一般的な防水スプレーで構わない。

まず、紐を外します。
ささっとズボラでケアする場合は外していませをが、今日は補色もするので紐を外しました。

汚れを落とす

①ワイヤーブラシ③消しゴムを使ってホコリや汚れを落としていきます。

ワイヤーブラシは起毛革の間に入ってるホコリをブラッシングで落としてあげます。

消しゴムはつま先のカカトについた黒ずみを中心に落としていきます。アスファルトや自転車などで擦れて汚れがつきます。
消しゴムには砂も混じっているものも多く、ヤスリのような働きをしてくれます。

※ここで注意。どちらも強く擦りすぎないようにしましょう。

補色する

②マスキングテープ④補色剤を使います。

補色のときに、ソールや他のパーツに色が移るのを防ぐためにマスキングテープをつかいます。

補色剤はリキッドタイプのものを使用しましたが、スプレータイプもあります。
リキッドの方が色が抜けた部位を中心に補色が可能なのと、他の補色を避けたい部位には飛沫しにくいです。

※全体を補色する前に目立たない土踏まず部分などで、補色を試してみましょう。問題なければ全体を補色。薄ければ重ね塗りもオッケイ。 

ブラッシングする


補色が終わったら、毛並みを整えていきます。

汚れ落としのとき使ったワイヤーブラシをまた用います。
補色をして半乾きの状態で毛並みを立たせます。

※乾ききると毛並みを起こすのに力が必要になり、革に負担が大きいため、半乾きがポイントです。

保革スプレーをふる

補色が完全に乾き切ったら、
靴の全体に保革スプレーをふります。

スプレーをふった箇所は色が濃くなります。
一部だけにしかスプレーをふらなければ、シミのようになってしまうので、全体にふりかけます。
全体にシミを作るように。

※乾くと色は薄まりますが、ケア前よりは濃い色に。


保革スプレーが乾ききったらワイヤーブラシで毛並みを同じ方向に整える。やさしく。やさしく。

防水スプレーをふる

保革スプレーが完全に乾いたら、防水スプレーをふります。
防水スプレーは雨などの水だけでなく、汚れにくくもしてくれます。

以上、メンテナンスでした。

出来上がり

左がメンテナンス後。
右がメンテナンスなし。

分かるかなぁ。
よく見ると、左のほうが、爪先部分の黒ずみがなくなっています。全体に色も濃くなっています。

余談

起毛革はスムース革よりも銀面が付いていないので、水に弱いように感じます。
でもちゃんとケアをしてれば表面積が起毛革のほうが大きいから、防水性は優れているようです。
こまめにケアしてれば、長くご愛用いただけるし、ケアも難しくない!

読んでいただきありがとうございました。

zucco

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