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本はあるべくして、そこにある

 僕は大学生になってから、自分のお金で自分のために本を買ってきた。その前は自分のお金で自分のためではなかったか、と問われれば確かにそうではないのだけど、一人暮らしと購読・読書というのは、密接につながっていると思わざるを得ない。なぜならそれら全てに目的があるから。この本を買えば野菜や牛乳が買えなくなる。常に(少し嘘だ)瀬戸際に立たされ、書棚の間で実際に頭を悩ませ、結果として本を選んだ。その本は、自分に対して何らかの「いいこと(旨み)」を与えてくれると思い、手に取り、そのために断腸の念でお金を出してきた。最近ではさすがにそういう「瀬戸際に立つ」ことが少なくなったとはいえ気が緩むと5、6月は累計3万9千円分本を買っていた。これが多いか少ないかは別として「これじゃほしいブレザージャケットも買えるじゃないか」と思ったのも後の祭り、これ以上言及しないことにする。
 僕はよほどのことがない限り新刊は書店で買うことにしている。やっぱり中身に関する事前情報が少ないから。知ってたら買わないし。反対に、中古本を手に入れるのはネット通販が多くなる。探し出すのがオフラインだと難しいから。その「探す」に魅力を感じる方もおられるだろうが、ここでは自分が混乱するのでこれ以上議論しないことにする。

本屋とは、自分が本を読んでいないことを永遠に痛感させられる場所。だからこそ明日も行きたくなるんです」とは、漫才師でライターでもある水道橋博士がある雑誌のインタビューで語ったこと。とても好きだ。
 本屋に行けば無尽蔵に本がある。物理的にではなく、時間的精神的にという意味だ。何冊手にとっても、その1m右側には手にとれない本が並んでいる。半ば仕方ない諦めが混じりながら「本屋に通うぞ」という意思が顔を覗かせる。読書量とか例えば走行距離とかの類のものに、絶対的な多い少ないは判断できないだろうけど、周りを見渡してみると読書で話が盛り上がるのがいかに少ないかは書くまでもない。
実際こうして夜中に(いや明け方に)、孤独で、パチパチ、キーを叩いているのだから。

 そのようなやむを得ない事情により、あくまで僕基準で「それなりに」読書に時間を割き、「それなりに」本を読んできた前提で書いていく。別に、自分が多読だと言いたいわけではないし、この行いを誰かに褒めてほしいとも思っていない。そもそも僕は本を読むことが絶対的に推奨できることを論じれる立場ではない。あくまで経験的に、感覚的に、「いいことだよね」と意見を述べることはできますけど。

 --------ここまであくまで前置きです。--------

 僕にとってそこから何にも得られなかった「本」はあったし、僕自身が買ったのではなく身近な誰かに借りてそのまま手元に残っているものもある(人に借りるというのは大抵身近で親密な関係のときだ。特に本は)。前述に関しては、本にも事情があるだろうが、前職の業界に身を置いてみると出版される意味がない書籍はないと思った(ナショナリズムやジェンダー的に危ういに書籍は触れないようにしている)。
 また、後述に対しては否定的な意見を投げられることもあるだろうけど「本はあるべくして、そこにある」と考えている。決して正当化するわけではないが。それもほとんどは「あげる」と言われたものか、あるいは無期限的に「借りておくよ」と持ち主に伝えており、了承を得ている。

 かくいう僕も数十冊は、それが大事であれそうでなかったのであれ、手元から 意思に反して(いわば無抗力的に)離れてしまったものがある。例えばそれは学生時代の他学部の女の子であったり、物理的に遠く離れてしまった友人、一方では同じ都内に住む先輩社員とか。まあそれはしょうがない。「本はあるべくして、そこにある」のだから。焼かれているかもしれないし、大事にとっておかれているかもしれない。あるいは、その借りた人も無くしてしまっているかもしれない。

「本棚を見せることは恥ずかしいことですよ。だって考えていることを見透かされるようで、嫌じゃないですか」と言ったのは、かつて僕が好意を寄せていた後輩で(残念ながら今は連絡がとれない)、以前もいまもその気持ちはわかるような気がする。僕はこの問いかけになんと答えただろうか? 本棚を意味もなく眺めている時に、後輩のあの素朴な意見だけが自分の目線あたりにぷかぷか浮かんでいることに気づく。僕の「回答」は切り離され、トイレのつまみによって流されてしまったのだろうか?

さて突然ではありますが、これから週に数回、手元に残っている(あるいは、新しくやってきた)本をアップロードしていきます。少しのコメントと写真を添えて。この手元にある本が無駄な紙くずの集まりではないことを示したい。ただページを眺めていて、これまで時間とお金を溶かしてきた読書という行為に意味を見出せるだろうか。まあ、別に見出さなくてもいいんだけど、あくまで試験的にしてみたい。アウトプットの手段や方法はいろいろあるでしょうけれど、ぼちぼち。

誰かの目に触れ、たとえば誰かに刺さり、ちょっとでも読みたいな、その内容を詳しく知りたいなと思ってもらえたら、それに勝る喜びはありません。

(項目を列挙しておきます)
1)タイトル 、著者
2) 買った場所 
  ・・・覚えている範囲で。わからない時は「不明」と書く
3) 買った時期 
  ・・・覚えている範囲で。わからない時は「不明」と書く
4)買ったきっかけ 
  ・・・ ジャケット買い、周囲の誰かの影響、テレビ、ラジオ、著者など
5)理由、目的
   ・・・購読してどうなりたいと思っていたか、わからない時は「不明」と書く
6)読んだことでの変化・・・すごく変わった、そうでもない、まだ変化は訪れていない(この先起こりそう)、わからない時は「不明」と書く

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