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【Boushitsu Advent Calendar】モバイルノートPCでLinuxを試してみた

これは Boushitsu Advent Calendar 7日目の記事です。

 私が大学で持ち歩いているモバイルPCにはWindows 10が入っているのですが、タブを3つ開いただけでMicrosoft Edgeが落ちるクソスペックなので、解決策として試しにLinuxを導入してみました。

スペック

ASUS VivoBook E203N(Intel Celeron 1.1GHz 2コア、4GBメモリ、32GBストレージ、Windows 10)

 モバイル用として、2018年春に購入した機種です。MicroSDカードのオマケ付きで約2万円でした。

Linuxの選定

 Linuxを「お試し」するためだけに内蔵ストレージのWindowsを消すのは流石にマズいと思ったので、32GBのUSBメモリを購入し、そこにLinuxをインストールすることにしました。最初は「Lubuntu」を導入する予定でしたが、某室のパソコンでUSBメモリへのインストール作業を行ったところうっかりブートローダを吹き飛ばしてしまったので、代わりに軽量Linuxとして有名な「Puppy Linux」を導入しました。Puppy Linuxは以下のような特徴を持つOSです。

特徴1:ライブ起動でも作業データを保存できる。

 多くのLinuxディストリビューションはCD-RやUSBメモリから直接起動するライブ起動が可能ですが、そのほとんどは所謂「お試し用」で、シャットダウンすると保存したデータは消えてしまいます。しかし、Puppy LinuxにはファイルシステムをUSBメモリやHDDに記録する機能「Pupsave」が付いているので、ライブ起動でも保存したデータが失われません。

特徴2:とにかく軽い。

 数年前まではPentium MMX+メモリ128MBで動作することをウリにしていたOSです。最近のバージョンでは64ビット化やソフトウェアの更新に伴い要求スペックが上がっていますが、それでも全てのアプリが数秒で起動する軽快さは健在です。

ダウンロードと導入

 今回は、「FossaPup64 9.5」をベースにthinkpadnerd氏が日本語化した「FossaPup64 9.5 日本語版 シンプル」を使用します。少し前までは本家(英語版)にシノバー氏の日本語化パッチを当てる手法が主流でしたが、OSの64ビット化や内部仕様の変更によって動作しなくなっているようです。本家のクソ遅いサーバーと違いGoogleドライブからのダウンロードなので爆速で落ちます。ISOファイル容量は約434MBです。

 ダウンロードが終わったら、USBメモリにインストールします。当然ISOファイルをUSBメモリにコピーしただけでは動作せず、専用のソフトウェアでファイルシステムとブートローダの構築をする必要があります。個人的にはRufusがおすすめです。

 コピーが終了したらいよいよ起動です。Windowsをシャットダウンし、もう一度電源を入れます。電源ランプが付いたらブートメニューを呼び出し(一般的にはF8キー、F12キーなど。機種によって違う)先ほどのUSBメモリを選択するとPuppy Linuxが起動します。

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 ウィンドウマネージャーはJWMです。デスクトップアイコンやファイルを開く時の操作がシングルクリックであることを除けば、Windowsとほぼ同じ感覚で操作できます。

 初回終了時に個人保存ファイル(Pupsave)の設定を行います。今回は同じUSBメモリに、ext4ファイルシステムで4GBの保存ファイルを作成しました。個人保存ファイルの容量は足りなくなったら拡張できます。

ソフトウェアの追加

 ブラウザ、メール、ワープロ、メディアプレイヤーなど必要なソフトウェアは一通り入っていますが、大学生活で普通に使えるシステムを目指して幾つかのソフトウェアを追加しました。

 Puppy LinuxにはベースOSや設計思想の違いで様々なバリエーションがありますが、FossaPup64はUbuntuがベースとなっているため、Ubuntu(またはDebian)用のソフトウェアパッケージがそのまま入ります。

Mozilla Firefox・・・ FossaPupにはFirefoxの親戚である「Pale Moon」がプリインストールされていますが、静大情報学部指定ブラウザであるFirefoxも入れておきます。公式からLinux用のバイナリ(.tar.bz2 形式)をダウンロードし、/opt/ フォルダに展開します。/opt/firefox/firefox が実行ファイルで、クリックするとFirefoxが起動します。「セットアップ」メニューにある「Default Applications Chooser」でデフォルトのウェブブラウザを /opt/firefox/firefox に設定すると、デスクトップの「ブラウザ」ボタンやhtmlファイルをクリックした時もFirefoxが起動します。

Google Chrome・・・ Ubuntu用のパッケージが公式で用意されていますが、ウィンドウマネージャの問題でしょうか、ウィンドウを最大化できないバグが出たのでアンインストールしました。

Slack・・・ 某室と某同好会と某サークルで使っているチャットツール。Linux用のパッケージが公式で用意されていますが、残念ながら上手くログインできなかったので、今はFirefoxで見ています。ウェブブラウザ上ではチャンネル間の移動がスムーズにできないので、複数組織のチャンネルを頻繁に見る人にはお勧めできません。SlackはGoogle Chrome(厳密にはChromium)でネイティブアプリを作成するフレームワーク「Electron」で動作しているため、こちらでもウィンドウを最大化できないバグが出ました。

Zoom・・・ オンライン授業の必需品。公式が配布しているUbuntu用のパッケージが問題なく動作しました。

WPS Office・・・ 旧「Kingsoft Office」。中国キングソフトが開発しているオフィススイートで、Microsoft Officeとの高い互換性が特徴です。Linux用は無料で使えます。初期状態では英語と中国語の言語データしか入っていないので、こちらの記事を参考に日本語化パッチを導入しました。

 UIが古臭いですが、Puppy Linuxにはワープロソフト「AbiWord」と表計算ソフト「Gnumeric」が入っているので、プレゼン資料を作らない人はそちらで十分だと思います。

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無線LAN

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 無線LANは右下のアイコンから設定します。「インターネット接続手段」では「有線あるいは無線LAN」を選択します。接続ツールは3つから選べますが、一番上の「シンプル・ネットワーク・セットアップ」が最も簡単に設定でき、かつ動作も安定している印象です。

まとめ

 とりあえずオンライン授業に必要なツール一式を入れましたが、Eclipse IDEとJavaが動作すればプログラミングの講義にデカいメインPCを持っていく必要が無くなるので、可能ならば導入したいです。

 ただ、数年前に買った2万円のパソコンを無理して使うのは辛いものがあります。MacBook Air欲しい!

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