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スキー狂の同僚の話

これは人工芝アドベントカレンダー2022 14日目の記事です。10分で何かをポストします。

スキー狂の同僚

アドベントカレンダーも折返しを過ぎて徐々に書くこともなくなってきたので、スキー狂の同僚の話でも書いてみようと思う。

そもそもそのスキー狂の同僚とじぶんは一緒にスキー・スノボに行ったことはない。ただ、社内でスキーといえばその同僚であると皆から口を揃えて紹介されたため、これまたスキーやスノボがそこそこ好きで年に1度は必ずどこぞのゲレンデに滑りに行っていたじぶんから冬になるとじぶんのルーチンとして必ずスキー狂の同僚に話しかけるようにしていた。

その同僚との雑談でここ4年くらいおよそ毎年話題に出たのが「雪がない(少ない)」ということであった。主に関東からアクセス良くかつ雪質や広さが担保されているゲレンデは長野や新潟にあるため、その地域に対しての積雪量が少ないという話であるが、ここ4年はほとんど「雪が少ない」暖冬?が多くほぼ毎年「今年も雪がない」という話をしていた。ただ、例外的に COVID-19 が流行し始めた 2020年から 2021年だけはドカ雪が降っていたため、その年だけはスキー狂の同僚から「今年は雪がある」という話を聞いた。

そんなスキー狂の同僚であるが、そもそも毎年どの程度滑っているのかと云うと1シーズンあたり最低でも30日以上はゲレンデにいると言っていた。それは12月から3月頃までのスキーのシーズンの週末の全日数にほぼ等しい日数であり、それが最低ラインだとするとそれ以上に休暇を取って滑りに行っているということが推察できた。

また、単にレジャーとしてスキーに行くだけでなく、基本的にはスキーの指導員の公式の資格取得を目指し、そのために6年ほどトレーニングを続けているとの話だった。調べてみるとスキー検定2級→1級→準指導員→指導者とそれぞれ実技を必須とした試験を受けていく必要があるらしい(準指導員→指導者は取得後2年時間が必要というステップもあるらしい)。スキー狂の同僚からは数年前にスキーの師匠を決めてその師匠が運営するスキークラブに所属し資格を突破するためのトレーニングを積み重ねているという話を聞いた。

しかし、2021-2022年シーズンはスキー狂の同僚の様子はそれまでとは少し異なっていた。その理由はそのシーズンで6年かけて挑んでいた資格を晴れて取得することができたからとのことだった。同僚の顔はどこか寂しげもあり晴れやかでもあった。

今年も冬になり、ふとそのスキー狂の同僚を思い出したが、もうその同僚にはスキーを雑談することはできない。その同僚が2022年の夏頃に会社を辞めてどこかに転職していったからだ。会社に居た頃のその同僚のポジションは唯一無二ながら可もなく不可もなくよく言うと安定した悪く言えば代わり映えしないものだったが、スキーという憑き物が落ちたことで仕事により変化を求める気になったためかサクッと転職していったのだった。

おわり

特にこれといったオチのない話であるが、2022年は「雪がない」という話をする同僚が居なくなった年ということを記録するためスキー狂の同僚の話を記してみた。

別に何かしらこのエピソードから気づきが得られるわけではないが、個人的にはやはり狂気は大事だなと思った。周囲から見たら明らかに常軌を逸した形でリソースをつぎ込んでいるのであるが、それを本人は気づかず気づいたとしても躊躇なくアクセル踏み込んでいける対象があることそのものが才能と呼ばれるものに近いように思えるからだ。

あらBfm Ep.64-2 でムミさんのエピソードでも似た話が出ていた気がする。

犠牲を犠牲と思わない情熱とはある種の狂気であるが、ここ数年またこれからも狂気が大事な時代は続くのだろうなと思っている。

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