黄色い風、黄色い雪
外で作業をしていると辺りが急に暗くなった。
何事かと顔を上げると、何もかも薄暗い黄色だった。
この季節ではよくあることで、昔は西から黄砂が風に乗り巨大な壁となって迫りくるのを見ていた時もある。今回もきっと黄砂だろう、しかしそれにしても暗い。
暗い理由はすぐにわかった。毎年の強風とは違い、今年の風は穏やかで木々の枝をわずかに揺らす程度。そのせいか、吹き流れる黄砂の砂粒は濃く、ゆっくりと移動していた。
吹き流れる黄砂の粒を観察することができた。意外と大小さまざまな大きさで、しかし雪よりは細かく、降ることなく横へ流れていった。
毒の風、なるほどゲームでこういう演出があっても悪くないなと思いながら盛大にくしゃみを一つ。
風が通り過ぎた後、辺りはいつもの明るさを取り戻した。
掃除していた場所は見事に黄色じみた色に変わっていた。
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