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『ラークシャサの家系』全26話

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オレたちは鬼なのだ・・・2000年以上の長きにわたり、その時代の統治者のもとで、秘密裏に関係を築いてきた人と鬼。令和の今も、誰にも知られることなく人の生活に溶け込む鬼たち。埼玉県…
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2021年8月の記事一覧

『ラークシャサの家系』第23話

◇「明子とアキコ?」 浦和所沢バイパスの国道463号を西へ向かい、所沢ICから関越自動車道に乗って北上する。途中、七瀬と井村明子が、お腹が減ったと煩いので、高坂SAに寄って、軽めの食事をすることにした。 「えぇ~何ですか?これ?ウルトラマン?キダさん、男の子なら知ってるでしょ?」  高坂SAには上り下りともに、巨大なウルトラマンのパネルがある。 「七瀬参事官、オレはオジサンですので、ここにある新しいウルトラマンは知りません。」  もちろん、ウルトラマンは知っている。だが、そ

『ラークシャサの家系』第24話

◇「二度目の戦い」 2匹のアチュートは、前に戦った時とはずいぶん雰囲気が違うというか、前回よりも明らかに強くなっている気がした。約2kmの距離を、数秒で駆け抜けるスピードにも驚いたが、その速度に耐えられるアキコと呼ばれる女にも驚かされる。おそらく、36年前に行方不明になった、メツキの娘ってところなんだろうが、もしかして、この女が、アチュートの戦闘力を高めている?そんな考えも脳裏に浮かんだ。 「七瀬、ちょっとヤバい。明子ちゃんと車に乗って、すぐ逃げられるようにしておいてくれ。

『ラークシャサの家系』第25話

◇「更なる共存」 全身黒づくめの細身のフライトスーツに身を包んだ井村みどりが、颯爽とヘリから飛び降りた。おもむろに煙草に火をつけ、一息吸うと親しげに山野に話しかけ始めた。 「東二、久しぶりね。最近は、私じゃなくて、妹の明子を虐めてるの? 恵子、あなたも元気そうね。少し見ない間に、ずいぶん個性的な淑女になったのね。フフフ」  えっ?妹の明子ってことは、山野は井村明子の兄?  で、あのアチュートと一緒にいるアキコと呼ばれる女は、本当は恵子って名前で、十中八九、36年前に行方不明

『ラークシャサの家系』最終話

◇「Just accident」 その後、オレたちは、アチュートたちと、再度一戦交えることはなかった。向こうも、それを望んでいないようだった。少し拍子抜けしたような感じだが、こんな結末が、最も平和的解決なのかもしれない。 「メツキ、とりあえず俺たちはここから消える。七瀬やキダに知られた以上、この上野村に残ることは得策ではない。」 「勝手にしなさい。いずれ何かの会議で、また顔を合わせることになるのでしょ? それまで楽しみにしているわ。恵子も元気にね。それじゃ私はここで・・・ご

『ラークシャサの家系』あとがき+作者紹介 その2

今回も、読んでいただいた方、スキをくれた方、本当に感謝です。 ありがとうございます。 どうも、雪丸です。  今回は、ラノベ風とかコミックスの原作風をテーマに書いてみました。  ただただ普通に難しいというか、自分の発想力?空想力?妄想力?に失望です。書く前はなんだかイケそうな感じだったんですが、書いていけばいくほど、最初に創ったプランが浅はかだったというか、矛盾だらけだったというか・・・  まぁ結果的に何事も中途半端で、メリハリのない物語を書いてしまいました。この手の作