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武器になる哲学

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50(山口周 著)

「人」
・報酬。人は不確実なものほどにハマりやすい
 →Facebook、ギャンブルなど
・悪の陳腐さ。悪事は思考停止した凡人によってなされる
 →悪とはシステムを無批判に受け入れること

「組織」
・悪の代弁者
 →あえて難癖つける人の重要性。似たような意見や志向の人が集まると知的生産の品質は下がる
・解凍、混乱、再凍結
 →変革は慣れ親しんだ過去を終わらせること

「社会」
・疎外→人間が作り出したすステムに人間が振り回される
・リバイアサン→独裁による秩序化、か自由ある無秩序か。
・パラノとスキゾ。どうもやばそうだと思ったらさっさと逃げる
 →パラノイア(偏執型)とスキゾフレニア(分裂型)
 →アイデンティティに対する固執。
 →一箇所にとどまるパラノと飽きっぽく変位するスキゾ。
・格差→差別や格差は同質性が高いからこそ生まれるもの

「思考」
・無知の知。学びは「もう知っている」と思った瞬間に停止する
 →知らないことを知っている
・コギト。我思う、ゆえに我あり。
 →考えている私の存在は疑いえない
 →自分の頭で考えることの重要性
・弁証法。進化とは過去の発展的回帰
 →命題(テーゼ)、次にアンチテーゼ、両方解決するジンラーぜ。
 →どっちも欲しい、どっちも嫌だのトレードオフをイノベーターは両立させてきた
・シニファン、シニフィエ
 →言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する。シニファン(言葉)、シニフィエ(概念)
・ブリコラージュ。なんの役にたつかわからないが、何かある気がする
 →蓄音機(遺言状のの代替)
 →用途の明確化と不明瞭のグレーゾーン
・未来予測。未来を予測する最善の方法はそれを発明すること。


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再読

■なぜ哲学を学ぶのか?
1状況を正確に洞察する:過去の枠組みが今何が起きているかを洞察するため
2批判的思考のツボを学ぶ:提案→批判→再提案
3アジェンダを定める:課題はイノベーションの起点となる
4二度と悲劇を起こさないために:過去の失敗からの教訓

■哲学者の2軸
Whatの問い:世界はどのように成り立っているのか
Howの問い:その中で私たちはどのように生きるべきなのか
(プロセスからの学びとアウトプットからの学び)

■哲学史
・ギリシアのソクラテスから始まりプラトン、アリストテレスを経由して中世へ。
・空白の後、デカルト、スピノザの大陸合理論とロック、バークリーのイギリス経験論の2つの大きな流れ。
・これらがカントによって統合的に整理される。
・その後、ヘーゲル、シェリングなどのドイツ観念論、ニーチェ、フロイト、マルクスの三人の構造主義。
・さらにフッサール、ハイデガーらの存在論、現象主義からサルトルの近代哲学へ
・最後はポスト構造主義のフーコーら。

■人に関するキーコンセプト:なぜこの人はこんなことをするのかを考える
・ロゴス・エトス・パトス(論理・倫理・情熱):人を動かすにはこの3つが必要
・タブラ・ラサ(何も書かれていない石板):生まれつきはなく経験次第
・ペルソナ:ユングはパーソナリティのうち外界と接触している部分をペルソナという概念を用いた。ペルソナは役者が用いたお面。どこまでが面でどこまでが顔なのかという問い。人の人格は多面的で自分とペルソナの不一致が起こる。
・報酬(人は不確実なものにほどハマりやすい):レバーを押すと不確実に餌が出る実験。
・悪の陳腐さ(悪事は思考停止した凡人によってなされる)
・認知的不協和(自分の行動を合理化するために意識を変化させる):自分の行動について後から意識や感情を変える
・チクセントミハイによる能力を最大限に発揮できるとき

■組織に関するキーコンセプト:なぜ組織は変われないのかを考える
・悪魔の代弁者(あえて難癖をつける人の重要性):役割として意識的なもの
・解凍・混乱・再凍結:変革は過去を終わらせることで始まる
・支配を正当化する3つの要素(歴史的正当性、カリスマ性、合法性)
・マタイ効果(持っている人によっていく):4月生まれの子供は大人になっても優れている傾向
・ナッシュ均衡:囚人のジレンマ(普段は協調、裏切られたら裏切りかえすという最強の戦略)
・権力格差:機長の方が副操縦士よりも墜落事故が多い

■社会に関するキーコンセプト:今何が起きているかを理解するために
・神の見えざる手(最適な解よりも満足できる解を求めよ)
・贈与(能力を提供し給与をもらう、ではない関係性)
ポリネシア人の贈与は「贈与する義務」「受け取る義務」「返礼する義務」により永続する
・パラノとスキゾ(偏執型と分裂型):過去のアイデンティティに固執するパラノ、自由に行動するスキゾ。スキゾのポイントは一貫性がないものの勇気を持って逃げるという点。
・パノプティコン(監視の圧力):円周上に配置された独房により中心から常に監視されている。

■思考に関するキーコンセプト:思考の落とし穴に落ちないために
・無知の知(知っていると思った瞬間に停滞する):知らないことを知っている重要性
・イデア(想像上の理想形):個々には異なる木を見て、木だと認識できること。イデアに囚われて現実を軽視することの問題。
・イドラ(偶像。誤解のパターン):自然性質のイドラ、個人経験のイドラ、伝聞によるイドラ、権威によるイドラ。
・コギト(一度チャラにして再スタートする):デカルトによる「我思う、ゆえに我あり」。確実なところからスタートする。
・弁証法(真理に至るための方法):円だという主張、長方形だという主張、両立する答えは円柱。トレードオフの両立。
・シニファンとシニフィエ(コトバと概念):日本語の湯と水は別のシニファン。より多くのコトバを組み合わせて精密にシニフィエを描く必要性。
・ブリコラージュ(なんの役に立つか分からないが何かある気がする):イノベーションの多くは想定された用途と異なる。
・パラダイムシフト:別のパラダイムへの転換は時間をかけて起きるもの