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データ立国論

データ立国論(宮田 裕章 著)

第1章 データが変える社会――所有から共有へ
第2章 データ共鳴社会のつくり方
第3章 データ・シフトで変わる産業の形
第4章 データ共鳴社会の実現に向けて
第5章 生きるをつなげる。生きるが輝く――新たな社会へ

■はじめに
・データによる貨幣以外の価値
これまでは交換可能な価値としての貨幣。
データ社会は貨幣を媒介せずに社会を駆動させることが可能。ポスト資本主義。(例:中国の信用スコアによる社会など)
・データ共鳴社会:経済合理性だけでなくどう社会に貢献していく多元的価値
・平均モデルの改善
データ可視化により消費者一人一人に合わせた商品・サービスの個別最適が実現できる。誰も取り残さない社会。
・Well-being / Better Co-being:資本以外の人の豊かさ

■第1章 データが変える社会――所有から共有へ
・貨幣=モノの所有が豊かさだった。
・コロナにより生命と経済のバランスをとる必要性に迫られた
・データ社会は個別最適化(「最大多数の最大幸福」から「最大多様の最大幸福」)→Netflixは映画館がいらないので映画館をいっぱいにする必要はない。

データにより個別の人にレコメンデーションをするとニッチがビジネスに成立する

■第2章 データ共鳴社会のつくり方
・人間の不確実性(洪水など)
人間は洪水の治水によって農業が発展した。
・ロックは人間は人との支え合いで成立する考え方(行政、立法などの民主性)
・モノは使うとなくなるが、データは共有してもなくならないのが違い(ただし、信用を失うとそのデータの価値が減る)
・コロナ対策とプライバシー

プライバシーにどこまで踏み込むか。どのような社会を目指すかを考えることにつながる

■第3章 データ・シフトで変わる産業の形
・大量生産、大量廃棄の問題
・環境問題や途上国の労働問題
・データで信用を可視化したことで、同じ利率でお金を貸すことができる
(格差是正の可能性)
・ヘルスケア(健康のためにデータ収集する)
→高齢化社会になり元気に働ける人を増やしていく
→楽しさの先に健康がある(無関心な人へ)

■第4章 データ共鳴社会の実現に向けて
・アメリカ型:GAFAなどの企業主導型、個人の不利益が起こりやすい
・EU型:個人を尊重、GDPRにはじまる個人の保護。運用に課題
・中国型:個人のプライバシーが国の管理。監視社会になる可能性
・個人のプラットフォームを作る
→保険情報など分断したデータをつながっている状態
・透明性の高さ(社会に貢献した人の可視化や表彰)

■第5章 生きるをつなげる。生きるが輝く――新たな社会へ
・世界の中で貢献しているイメージを個々が持つ
・食べること、遊ぶこと全てに自分の選択
・スマートシティ:横並びではなくその都市の個性を活かしていく
・持続可能な共有価値:個人が大切にする価値を尊重する
・シビックテック:社会の困りごとを市民が持ち寄り共有し、解決まで行う。

人の価値観は多様になった。不確実な社会の中で、変化をどう味方に付けられるか。ある人のベストはある人のベストではない。豊かさは人との共創。