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価格優位戦略

価格優位戦略〜高価格で収益を最大化する実践シナリオ〜(マイケル・V・マーン、エリック・V・ログナー、クレイグ・C・ザワダ 著)

■ 価格優位
・多くの企業が成功していない競争戦略は価格優位
・適切な価格は売上数量を増やすよりも増益を実現できる
・価格を増加:グローバル1200のうち、価格を1%増加すると営業利益は11%上昇
・固定費を減少:固定費を1%を減らすと営業利益は2.7%だけ増加
・数量を増加:売上数量を1%増加させると、営業利益は3.7%だけ増加

■ 価格と売上数量のトレードオフ
・値下げ:価格を1%下げると売上数量を3.5%増やす必要がある

■ なぜ価格優位が実現できていないか
・需要の拡大によって経済が発展してきた
・営業が値下げしても気づかない
・現状のデータ不足

■ プライスマネジメント
1業界レベル:業界全体の価格水準を考える。業界動向や需要と供給。
2製品レベル:価格を競合に対して適切に位置付ける。商品の顧客認知。
3取引レベル:顧客1件ごとの取引。長期契約インセンティブなど。
→3つのレベルは単独ではなく相互に関連する

■ 業界レベル
・主力技術の変化、生産能力の拡大縮小、
・原材料のコスト変動
・需要の変動
・業界リーダーは価格水準を押し上げようとしたか

■ 製品/市場レベル
・顧客への意識調査はしたか
・顧客セグメントを理解しているか

■ 取引レベル
・正確に1件ごとの価格を把握できているか
・値引き、割引
・一番高い価格を支払っているのはどの顧客か
・インセンティブが用意されているか

■業界レベルの分析
・価格予測の精度を上げる(コスト、需要、供給)
・価格変動を見越した準備
・価格の透明性(市場に誤解されないよう価格変化の理由を公開)

■製品レベルの分析
・バリューマップ:顧客にとっての便益と払っても良いと感じる対価の関係
・バリュープラス域(価格よりも便益が上回る)とバリューマイナス域(価格よりも便益が下回る)
・購買要因(各種性能)

・3種類の便益
 1性能的便益:機能
 2プロセス便益:取引の効率
 3リレーションシップ便益:関係性や報酬

・顧客セグメント:各顧客によってニーズが異なる
・無感度ゾーン:価格変化で変化の起きないゾーン

■取引レベルの分析
・ポケットプライスウォーターウォール:定価から利益の内訳
・ポケットプライスバンド:金額帯ごとの顧客数

■ 新商品のプラシング
・便益を評価して定量化する
・市場規模の予測をする
・競合の反応を予測する

■ ソリューションのプライシング
・単品販売
・バンドル(パッケージ化)
・インテグレーション(知識と合わせてニーズに応える)
・ソリューション(総合的責任。パッケージ化+インテグレーション)
→単品、バンドル、インテグレーションんは他との比較により価格設定するが、ソリューションは創出された経済価値。

■特殊なプライシング
・企業合併後のプライシング

■ 価格競争
・一度下げると顧客の期待価格は戻らない
・価格の低下は利益を圧迫する
・値下げは長続きしない
・業界再編は実は起こらない
・競合の動きを読み違えないようにすべき
・争いのないニッチ市場を見つける

■ 価格優位のために
・IT活用によりプライシングの予測
・IT活用による顧客セグメントの最適化
・価格承認ツールによるデータ把握

プライシングの改革は、社内の理解や教育も必要