医療現場の行動経済学
医療現場の行動経済学〜すれ違う医者と患者〜(大竹 文雄、平井 啓 著)
行動経済学的特性
限定的合理性
ヒューリスティックス
医療行動経済学と健康行動との関係
リスクを嫌う人は一般的に積極的な健康行動を取りやすいが、健診受診については不明確。せっかちな人や先延ばしにする人ほど健康行動をとらない。意思決定上の癖を利用して行動を促すナッジの活用。
がん治療での適切な意思決定
バイアスを理解することが役立つ。情報が多いと判断を誤るため選択を適度に減らす。現実にはありそうになくても説明が具体的であると、説得力が増して聞こえる。
がん検診の受診率を上げるには
損失フレームを利用して、今年検診を受けなければ翌年に検診キットが送付されませんというメッセージ。
子宮頸がんの予防行動が進まないのか
利用可能性ニューリスティック、周りが受けていないことに影響される同調効果。
高齢患者への決定支援
高齢者は経験や情報から決定にバイアスがかかりやすい。高齢者は身体能力の低下から周囲からの援助が必要なケースが多く、治療を受けるかどうかを自ら意思決定をする必要が増える。しかし、決めることが難しい。そのため適切な決定支援が必要。
なぜ医療決定パターンに違いが出るのか
医師は常に合理的判断ができているわけではない。女性医師は男性医師に比べてガイドラインに沿いやすく、担当患者の死亡率も低めである。
他人を思いやる人の方が看護師に向いているのか
共感しすぎる人は辞めてしまう。そのため患者に釣られて寄り添いすぎるのは良くない。思いやりがある人が看護師に向いているように思えるが、利他性が強すぎると成立しないケースがある。患者が嫌がっても必要な処置をとる必要もある。